近代日本に見る宗教の位相と宗教者達の自己定位との相互変容
Project/Area Number |
04J09930
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Religious studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星野 靖二 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(PD) (50453551)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 宗教史 / 宗教学 / 日本 / 宗教概念 / キリスト教史 / 仏教史 / 明治時代 / 思想史 |
Research Abstract |
本年度の主要な業績としては、論文を二本投稿し、学会・研究会での発表を三回行った。いずれも研究課題である「近代日本に見る宗教の位相と宗教者達の自己定位との相互変容」に関連するものであるが、主に二つのテーマを取り扱った。 第一に、明治前期に仏教の改革を訴え、後に一時期ユニテリアンに参加することになる中西牛郎について調査を進めた。まず論文「中西牛郎『教育宗教衝突断案』について--キリスト教の捉え直しと望ましい「宗教」という観点から」を『思想史研究』に発表し、教育と宗教の衝突問題において井上哲次郎の議論が原理的にキリスト教を拒絶するものであったのに対して、中西は屈折した論理を用いながらキリスト教の捉え直しについて論じていたことを確認した。また日本宗教学会において「仏教とユニテリアン」という発表を行い、中西のユニテリアンとの関わりを整理して報告した。 第二に、明治十年代において「宗教」なるものがどのように論じられていたのかについて考察を加えた。まず論文「明治十年代におけるある仏基論争の位相--高橋五郎と藍津実全を中心に」を『宗教学論集』に発表し、明治十年代中葉におけるある仏基論争において、仏教経典の解釈の仕方が一つの争点となっていたことを指摘した上で、特に藍津実全に焦点を当てて、仏教がその教義と教典の整備を行って自らを「宗教」として再帰的に構成していく過程の一端について論じた。またこの時期の高橋五郎の宗教論については「「宗教」と「理学」--高橋五郎の宗教論」という発表を日本思想史学会で行い、考察を加えた。 他に、「伝道者としての成瀬仁蔵」という発表を「宗教と社会」学会の研究会で行い、また宗教学史に関する資料集である『宗教学の形成過程』(島薗進監修、島薗進・高橋原・星野靖二編集、クレス出版、2007)の編集に携わり、解説の一部を執筆した。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)