宇宙相転移における磁場ゆらぎの生成および大域的な宇宙構造の形成と進化の解明
Project/Area Number |
04J10625
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan (2005) The University of Tokyo (2004) |
Principal Investigator |
市來 淨與 (2005) 国立天文台, 理論研究部, 特別研究員PD
市来 淨與 (2004) 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 磁場 / 初期宇宙 / 密度揺らぎ / 磁場生成 / 宇宙線形密度揺らぎ |
Research Abstract |
天文観測技術の向上により、銀河、銀河団という非常に大きな天体スケールで、磁場が普遍的に存在することが観測的に知られている。しかし、そのような大スケールでの磁場の起源は未だ分かっておらず、宇宙の大問題として残されている。私は、非常に成功した理論である宇宙線形密度揺らぎの理論の摂動2次の効果で、宇宙誕生37万年までに磁場が生成される可能性に着目した。宇宙誕生37万年という若い宇宙では、すべての物質が、陽子、電子、光子として存在しており、それぞれの密度分布には揺らぎが存在したことが宇宙背景輻射揺らぎ、銀河分布の揺らぎの観測により確定している。この密度揺らぎが存在することにより、密度の高いところから低いところへ「光の風」が吹くが、この風が電子を選択的に散乱することにより、電流が流れ磁場が発生する。私はこの物理過程の精密な定式化を行い、これにより、光の非等方的な圧力が、初期宇宙において磁場生成に重要な役割を果たしていることを発見した。そして、現在観測的にも理論的にも確立している宇宙の大スケールの密度揺らぎから、大スケールの磁場の揺らぎを直接生成することが可能であることを示した。実際にこの定式化に基づいた数値計算を行うことにより、種磁場として十分な大きさの磁場が生成されることを明らかにした。また、この過程により生成された宇宙の磁場は、銀河や星に取り込まれることなく、初期宇宙の密度揺らぎの化石として、宇宙にそのまま漂っている可能性がある。この化石磁場を将来観測することにより、宇宙の密度揺らぎ生成の理論に対する新しい情報を得られる可能性があることを示唆した。この成果は科学誌scienceに掲載されるとともに、特に重要度の高い論文に選ばれたため、オンライン版で速報された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)