造血器腫瘍における転座関連遺伝子の機能とその臨床応用
Project/Area Number |
05151048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
鎌田 七男 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (00034629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 泰秀 東京大学, 医学部, 講師 (30238133)
瀬戸 加大 愛知県がんセンター, 研究所, 室長 (80154665)
垣塚 彰 京都大学, 医学部, 講師 (80204329)
恵口 豊 大阪大学, 医学部, 助手 (20243206)
大木 操 国立がんセンター, 研究所, 部長 (00158792)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥14,400,000 (Direct Cost: ¥14,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥14,400,000 (Direct Cost: ¥14,400,000)
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Keywords | 造血器腫瘍 / 転座関連遺伝子 / 遺伝子機能 / 染色体異常 / FISH / PCR |
Research Abstract |
1.転座関連遺伝子の新たな構造解析 (1)8;21転座関連:8;21転座に伴う8番染色体側遺伝子MTG8の構造解析が進み、チンクフィンガーモチーフを有する転写調節遺伝子の1つであることがわかった。また、16;22転座をもつ症例の解析より21番染色体側切断点はERG遺伝子内にあることが判明した(文献5、6、7)。 (2)11q23転座関連:11番染色体上のMLL遺伝子の単離を契機に、11番染色体の相手側の遺伝子(4番染色体上のLTG4、9番染色体上のLTG9、19番上のLTG19)がそれぞれ構造解析され、それぞれの遺伝子が共通したモチーフを有することが明らかにされた(文献1,13,14,15)。 2.転座関連遺伝子の機能解析の新知見 (1)BCL2遺伝子をB細胞で過剰発現するトランスジェニックマウスを作製した。この新生児BCL2マウスにレトロウィルスを感染させたところ、早期に悪性リンパ腫を発症し、c-myc,pim-1,tic-1の活性化が認められた。すなわち、14;18転座腫瘍の発症にはBCL2遺伝子を含む複数遺伝子の活性化が必要であることが実験的に証明された(未発表)。 (2)急性前骨髄性白血病(APL)細胞のin vitroの沈降実験や細胞での核において極めて特徴的な粟粒状の染色像を呈することを明らかにした。このことはPML-RAR蛋白質がPML蛋白質と複合体を形成し正常なPML蛋白質を破壊することによってPML蛋白質の機能を阻害していることがAPL発症に重要であると判断された(文献10、Cell印刷中)。 3.RT-PCRの臨床応用 4;11転座、9;11転座、11;19転座、8;21転座などの転座白血病の診断のみならず、骨髄移植やIFN治療後の残存白血病細胞の検出に有用であることが多くの施設で証明された(文献6、11、Blood印刷中)。 4.FISH法による転座白血病の診断 IgH遺伝子のYACクローンを用いて3;14転座、8;14転座、14;18転座、14;19転座を、また、9;22転座、8;21転座、15;17転座のプローブを用いて染色体上および静止核上で転座が証明できるように開発を行い成功した(文献22,23)。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)