CEAの癌特異性の解明:大腸粘膜におけるその産生動態の生理と病理
Project/Area Number |
05151062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
松岡 雄治 福岡大学, 医学部, 教授 (70078773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 武貞 大阪大学, 医学部, 教授 (60028496)
谷内 昭 札幌医科大学, 学長 (50045324)
山下 克子 佐々木研究所, 生化学部, 部長 (70030905)
池原 征夫 福岡大学, 医学部, 教授 (70037612)
村田 長芳 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60020765)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
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Keywords | 大腸癌 / CEA / 腫瘍マーカー / 大腸粘膜crypt / GPI-アンカー |
Research Abstract |
正常大腸粘膜でも大量に産生されているCEAが何故最も有用な腫瘍マーカーたりうるのかを解明するのが本研究班の目的である。 1.CEA産生動態の生理に関する研究 (1)正常大腸粘膜のcryptのみを単離してコラーゲンゲル中で培養すると、上皮細胞は少なくとも16時間程度は形態学的、生化学的に全一性を保ち、活発にCEAを産生する。この際、crypt下半部の分裂増殖の強い細胞より、crypt上半部の分裂しない上皮細胞の方がCEA産生は活発である。産生されたCEAは上皮細胞のapical sidcに局在するが、その細胞からの放出は内因性リパーゼによるらしい(黒木求、松岡)。 (2)CEAはN-結合糖鎖を24〜27個もったCPI型膜結合蛋白質であるが、fluoro-deoxyglucoseで、CPIの合成を阻害すると膜結合型にならず、細胞外へ分泌される。MannosamincでGPIのみならず糖鎖の合成まで阻害するとCEAは細胞内に蓄積されるようになる(池原)。 (3)CEAの示す細胞接着活性にはドメインNが最も強く関与する(中里)。 (4)正常大腸粘膜で産生されるCEA(NFA-2)の糖鎖はType1鎖を基本骨格としているが、癌細胞の産生するCEAの糖鎖はTypc2鎖を基本骨格としている。これらの糖鎖には硫酸基が結合している(山下)。 2.CEA産生動態の病理に関する研究。 (1)癌患者血清中のCEA分子に比べ、正常人血清中に極く少量存在するCEA分子は分子量が小さく、C端部ペプチドの一部が欠落しており、血中への流入機序の差異が示唆される(黒木政)。 (2)レクチンTJA-1による組織染色性は正常大腸粘膜と癌組織で明瞭な差異がみられる(村田)。 (3)CEAmRNAの発現は胃癌では癌組織に強いが大腸癌では正常と差異がない(磯部)。 (4)大腸癌組織には正常組織に比べがん抑制遺伝子p53(森)や細胞外基質分解酵素マトリライシン(谷内)の発現が強い。 以上のように各班員の研究はそれぞれの局面で進展をみており、CEAの癌特異性の本態の解明に一歩ずつ近づきつつある。今後更に総合的共同研究により、その全容の解明を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)