Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川名 尚 東京大学, 医学部・産婦人科学, 教授 (90010272)
神田 忠仁 予研, 遺伝子解析学, 室長 (60134615)
松倉 俊彦 予研, 腫瘍ウィルス学, 主任研究員 (70100097)
岩本 愛吉 東京大学, 医学部・細菌学, 助教授 (10133076)
藤永 恵 札幌医科大学, 附属癌研究所・分子生物学, 教授 (10045338)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥26,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥26,000,000 (Direct Cost: ¥26,000,000)
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Research Abstract |
できるだけ多種類の粘膜向性ヒトパピローマウイルス(mHPV)のDNAを効率よくPCR法で増幅できる“consensus"primerと,増幅したDNAの型判定法とを樹立するため,E6-E7領域で増幅して制限酵素切断地図で判定するS方式,L1 5′末領域で増幅して制限酵素切断地図で判定するT方式,及び,L1 3′末領域で増幅して,膜上に固定した標準HPV DNAとのハイブリッド形成率で判定するN方式の3方式が班員によって開発されてきた。今年度は1)標準HPV DNAを鋳型として,3方式のprimer活性スペクトルを調べた。2)また,同一試料の3方式による分析結果の整合性についての協同研究も継続した。その結果,次の点が明かとなった。S方式は頸がん関連の殆どのmHPVDNAには有効である。T方式は頸がん関連は無論,それら以外に少なくとも28種類のmHPV DNAに対応できる。N方式はT方式よりスペクトルがやや狭い。T方式で増幅したDNAにN方式の判別法を用いると,感度は高くノイズが極小となる。これらの結果などを勘案すると,婦人科等での通常の調査研究での基準的な方法としては,先ず,T方式で試料を調査し,確かな型判別が得られない場合は,S方式を用いて再調査を行なうことが望ましい。勿論,T方式やS方式で増幅したDNAにN方式の型判別法を用いれば,精度は向上する。また,頸がんに限られた調査では,先ず,S方式で調査し,確かな結果が得られない試料はT方式などで調査することが得策であろう。また,分子汚染に対する手順を踏むことを決して怠ってならない。 6名の班員から前向き及び後向きの経時的な調査研究の結果が昨年より集積度の高い形で報告された。3名の班員から子宮頸がん,同腺がん,喉頭がんにおけるmHPV感染とp53変異との調査結果が報告された。 HPV16のL2抗体調査法が樹立され,E6,E7などの抗体上昇が子宮頸がん患者に限られるのとは異なり,L2抗体上昇は同部異形成の患者にも認められることが判った。
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