紫外線誘発DNA損傷による発癌遺伝子活性化に関する研究-化学合成オリゴヌクレオチドを用いた部位特異的導入法によるアプローチ
Project/Area Number |
05152001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大塚 栄子 北海道大学, 薬学部, 教授 (80028836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 弘志 北海道大学, 薬学部, 助手 (20230097)
岩井 成憲 北海道大学, 薬学部, 助手 (10168544)
井上 英夫 北海道大学, 薬学部, 助教授 (80088856)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | チミンダイマー / 損傷DNA / DNA修復 / ras遺伝子 / N1H3T3 |
Research Abstract |
DNAに生ずるチミンダイマー(TD)には,2種の異性体,cis-syn及びtrans-syn(以下,csTD,tsTDと略す)が存在する.これらを部位特異的にc-Ha-ras遺伝子に導入するために,ras合成遺伝子のコドン61CAAの相補鎖のTTをcsTD,tsTDとした21merを合成し,コドン49から68に対応するDNAカセットを構築した.TDを含むDNAカセットをプラスミドに組み込み,トランスフェクション用ベクターとした.このc-Ha-ras遺伝子を含むベクターをリン酸カルシウム法により,マウスN1H3T3細胞にトランスフェクションした.その結果,正常c-Ha-rasに比較して,高頻度にフォーカスを形成した.さらに,フォーカスを形成した細胞のゲノムのDNAを抽出し,PCR法と制限酵素処理を組み合わせることによりc-Ha-ras遺伝子の配列を解析した.csTDによってトランスフォームしたあるクローンでは,制限酵素切断法により分析すると,コドン61がCTAであることがわかった.また,tsTDにより変異としてはコドン61がCATとなっているものが検出された. c-Ha-ras遺伝子のホットスポットの一つである61番目Glnの部位にチミンダイマーの二つの異性体を導入することにより,チミンが損傷を起こしたことによりtransversionが起こり,Aとなることを証明した.cis-syn型では3'側のチミンの相手側にTを取り込み,trans-syn型では5'側でTを取り込んだ結果CAA(Gln)のところがCTA(Leu)およびCAT(His)となり点突然変異がアミノ酸の置換を引き起こしたことが明らかとなった.したがってDNAの損傷が,がん遺伝子の重要な箇所に起こると,がん化の引き金になることが明らかとなった.
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Report
(1 results)
Research Products
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