新規抗腫瘍性ヌクレオシドCNDACの作用機序の解明と新規代謝拮抗剤の設計
Project/Area Number |
05152006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松田 彰 北海道大学, 薬学部, 教授 (90157313)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 制癌性ヌクレオシド / CNDAC / デオキシシチジンキナーゼ / シチジンデアミナーゼ / DNAポリメラーゼ / 鎖切断 |
Research Abstract |
我々の研究室で合成したCNDAC(2'-C-cyano-2'-deoxy-1-β-D-arabinofuranosylcytosine)は,現在急性白血病の治療薬として用いられているara-Cと同様に2'-deoxycytidineの誘導体である.しかし,CNDACは,ara-Cとは異なり固形腫瘍に対しても優れた制癌効果を示す.今年度はCNDACの制癌性発現の作用機序を調べ次の点を明かにした. 1)CNDACを弱アルカリ性の緩衝液中でインキュベートすると2'-位シアノ基のα-位への反転やグリコシル結合の開裂を起こすことが明らかになった.β-シアノ体(CNDAC)とα-シアノ体(CNDC)の間には平衡が存在しその存在比は3:5であった.グリコシル結合の開裂は不可逆過程であることも明らかにした.小牛血清を含む細胞培養液中でもCNDACとCNDCの平衡関係が観察された. 2)次にCNDACとCNDCのシチジンデアミナーゼに対する基質性を調べた.天然のシチジンが加水分解的脱アミノ化を受ける速度を1とするとCNDAC(0.05),CNDC(0.16)は遅いながら基質になることが分かった.CNDCは癌細胞増殖抑制活性を示したが,この結果よりCNDACに反転して活性を示しているのではないかと考えられた. 3)CNDACの5'-トリリン酸体(CNDACTP)はDNApolymerase αを強力に阻害すること,その阻害様式はchain-terminator型であることを既に報告した.今回,合成テンプレート・プライマーを用いてCNDACが取り込まれた3'-末端の構造を解析したところ鎖切断が起こっている証拠として3'-シアノ-2',3'-ジデオキシ-3',3'-ジデヒドロシトシンの生成が確認された.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)