抗腫瘍性マクロファージの腫瘍抗原の認識機構。C-タイプレクチンの関与。
Project/Area Number |
05152037
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 康之 東京大学, 薬学部, 助手 (80160034)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | マクロファージ / Tn抗原 / MMGL / レクチン / O-結合型糖鎖 / benzyl-GalNAc |
Research Abstract |
癌細胞において糖鎖の生合成不全はしばしば見られる現象である。O-結合型糖鎖の伸長が不全で末端N-アセチルガラクトサミン(GalNAc)-Ser/Thrからなる糖鎖はTn抗原として知られ,乳癌や大腸癌において悪性度と相関するなど,臨床・診断上の価値が認められて来た。しかし,癌細胞と宿主免疫系細胞との相互作用や癌細胞の生体内での振るまいにTn抗原の発現がどのような意味を持つのかといった細胞生物学的なとり組みはなされていなかった。そこで今回マクロファージと癌細胞の相互作用に着目し,マクロファージ上に存在するガラクトース/GalNAc特異的Ca依存性レクチン(MMGL)がTn抗原認識分子として働く可能性を追求した。人為的にO-結合型糖鎖の伸長をbenyzl-GalNAcにより阻害したマウスマストサイトーマP815細胞では,(1)放射標識した可溶性リコンビナントMMGL(rML)の結合,(2)固相化したrMLへの細胞接着が顕著に高まっていた。また,benzyl-GalNAc処理により末端GalNAc残基の増加が認められることは,種々のレクチン(VVAB_4やDBA)により確認された。さらに,benzyl-GalNAc処理P815細胞では,マクロファージに対する結合能(ロゼット形成)が上昇した。以上の結果より,末端GalNAc残基の発現を増加させたP815細胞では,マクロファージに対するaccessibilityが増加し,その事にMMGLが関与していることが明らかとなった。従って,腫瘍マーカーとして知られて来たTn抗原であるが,マクロファージと癌細胞の相互作用の観点からとらえ直すことが必要であると結論づけられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)