Project/Area Number |
05152040
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 玉夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30168827)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 糖蛋白質 / 糖鎖構造変化 / 腫瘍マーカー / 肝癌 / 膵癌 |
Research Abstract |
我々は糖蛋白質糖鎖の微量構造解析技術法を確立し、個々の癌についてその産生する特定の糖蛋白質を選んで正常細胞の産生するものと糖鎖構造を比較検討し、えられた知見を応用して新しい癌診断法を開発する研究を進めてきた。本研究では、これら過去の成果を土台として腫瘍マーカーとして期待されているアルカリ性ホスファターゼについて、各臓器での臓器別および肝癌における同酵素の糖鎖変化の基礎的データの蓄積をはかった。まず、ラット肝臓および腹水肝癌細胞よりアルカリ性ホスファターゼを精製し、両者の全糖鎖構造を決定した。その結果、正常肝酵素では見いだされたタイプI構造(Galβ1→3GlcNAc)が癌化に伴い完全に消失していた。さらに正常組織由来糖蛋白質では今まで一切報告されていないフコシル化高マンノース型糖鎖が癌化に伴い新たな出現が確認された。今後ヒトの同酵素についての検討はもちろん必要なことはいうまでもないが、有効な肝癌の腫瘍マーカーとなることが期待される。また、フコシル化高マンノース型糖鎖生合成に関わる新奇糖鎖合成酵素の生化学的および分子生物学的特徴の解明が、糖鎖癌性変化の新たな研究課題として生じた。一方、良く知られている癌の胎児化現象を探るうえで、ヒト胎便中のアルカリ性ホスファターゼの糖鎖構造についても解析を進めたが、癌胎児性抗原(CEA)糖鎖で見いだされたような複雑かつ多様な糖鎖によって構成されていることが判明しつつある。有用な早期診断マーカーの開発が待望されている膵癌については、胆汁酸塩依存性リパーゼに注目した。今年度は、正常酵素についての糖鎖構造解析を終了し、血液型構造が含まれることを見いだした。現在膵癌の酵素について解析を進めている。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)