酵母をモデルとした高等動物細胞における増殖制御機構の解析
Project/Area Number |
05152054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松本 邦弘 名古屋大学, 理学部, 教授 (70116375)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 賢児 名古屋大学, 理学部, 助手 (90232628)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Keywords | MAPキナーゼ / シグナル伝達 / プロテインキナーゼC / 細胞増殖 / 酵母 |
Research Abstract |
本研究では、高等動物細胞における細胞増殖制御機構を明らかにする目的で、酵母をモデル系として、プロテインキナーゼC(PKC)による細胞増殖制御機構について解析を行ない以下の成果を得た。まず、酵母のPKC(PKC1)により制御されるシグナル伝達系を明らかにする目的で、PKC1を介したシグナル伝達系に働く因子を遺伝学的に同定した。その結果、BCK1、MKK1、MKK2、MPK1の4つの遺伝子を分離し、BCK1はMAPキナーゼキナーゼキナーゼ(MAPKKK)を、MKK1/MKK2はMAPKKを、MPK1はMAPKをコードし、PKC1-BCK1-MKK1/MKK2-MPK1のカスケードにより、シグナルが伝達されることが明らかになった。従って、酵母のPKC1は、MAPキナーゼの活性化を介して細胞増殖を制御している。次に、動物細胞においてMAPキナーゼカスケードに関与する因子を同定する目的で、酵母のPKC1-MAPキナーゼカスケードに関与するヒト遺伝子の分離を行なった。T細胞由来のJurkat細胞から作製したcDNAライブラリーを酵母のpkc1及びbck1温度感受性変異株に導入し、高温での増殖を回復させる遺伝子としてヒトMSP1とMSB1をそれぞれ分離した。MSP1はnPKCをコードし、SRαプロモーターによりNIH3T3細胞において強制発現させると、軟寒天培地でコロニーを形成した。一方、MSB1は酵母のmpk1温度感受性変異株の増殖も回復させることから、MPK1の下流で作用することが明らかになり、またその塩基配列から転写に関与していると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)