Scid miceを用いたB細胞リンパ腫の発症機構の解析と治療法の開発
Project/Area Number |
05152062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲本 俊 京都大学, 医学部, 講師 (10135577)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 利行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (70243102)
熊谷 俊一 医療技術, 短期大学部, 教授 (00153346)
内山 卓 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80151900)
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
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Keywords | 肝移植 / FK506 / B Cell lymphoma / Epstein-Barr virus / soluble CD23 / Interleukin-10 |
Research Abstract |
生体肝移植後、免疫抑制剤FK506投与中に、monoclonal B cell lymphomaを発症した1人の患者からと、活動性Epstein-Barr virus(EBV)感染症を発症した4人の患者から末梢血単核球(PBMC)を分離し、30日間primary cultureを行い、細胞のsurface phenotypeと培養上清中のsoluble CD23とInterleukin-10(IL-10)について検討した。前者のPBMCのsurface phenotypeについては培養前15%だったCD20^+/CD23^+(両陽性)の割合が99%となった。上清中にはsoluble CD23を検出でき、IL-10も検出できた。後者のPBMCのsurface phenotypeについては培養前10-15%だったCD20^+/CD23^+(両陽性)の割合が90-95%となった。上清中にはsoluble CD23を検出できたが、IL-10は検出できなかった。肝移植後、B cell lymphomaを発症した2人の患者の血漿中soluble CD23とIL-10を測定すると2例ともlymphomaの進展に伴って、血漿中soluble CD23とIL-10は上昇、高値を示した。これらの結果からpolyclonal B cellsからmonoclonal B cell lymphomaに進展する機構にIL-10が関与していることが示唆された。 EBV感染B細胞のcell lineであるRPMI8866,B104-B958,B104-P3HR-1をSCIDマウスの腹腔に注入した(1匹あたり1x10^6個の細胞を注入)。それぞれのcell lineについてFK506投与群(1日1回FK506を0.1mg/kg筋注)、コントロール群(1日1回生食を筋注)を設けて、cell line注射後2、3、4週間目に採血し、血清中soluble CD23を測定した。3週間目には肉眼的に腹部に腫瘍を形成することが多く、血清中solubleCD23も上昇してくる。血清中soluble CD23はFK506投与群の方がやや高い傾向を示した。これらの結果は正常なB細胞に対して増殖抑制効果があるFK506はガン化したB細胞に対しては増殖抑制効果が無く、かえって増殖を促進する傾向がみられ、肝移植におけるEVB感染に伴うB cell lymphomaの発症にFK506投与が関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)