コレシストキニン/ガストリン受容体を介するヒト癌細胞増殖の分子機構
Project/Area Number |
05152083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松井 利充 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (10219371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 勉 神戸大学, 医学部, 教授 (30188487)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | コレシストキニン / ガストリン / 受容体 / チロシンキナーゼ / FAK / MAPキナーゼ / 遺伝子 / 相同組換え |
Research Abstract |
私達はcDNAクローニングによりヒト大脳コレシストキニン(CCK)-B受容体は胃ガストリン受容体と同一分子であり、細胞増殖促進作用を持つことを明らかにした。さらにヒトCCK-B/ガストリン受容体遺伝子はヒト第11番染色体短腕15.5-15.4の全長13kb以上におよぶ5個のエクソンから成る遺伝子(CCKBR)にコードされ、第4エクソンの3'測には2ヵ所のスプライシング部位が存在しうることも明らかにした。本受容体cDNA導入発現細胞において、CCKおよびガストリンはDNA合成を促進させるとともに、c-fos,c-mycなどの初期応答遺伝子発現を誘導する。さらにイノシトールリン酸産生や細胞内Ca^<2+>を上昇させるのみならず、p125^<FAK>(Focal Adhesion Kinase)およびMAPキナーゼなどの細胞質蛋白のチロシンリン酸化を誘導し、MAPキナーゼ活性を著明に上昇した。すなわち、G蛋白共役型受容体であるCCK-B/ガストリン受容体はその細胞増殖促進作用において、チロシンキナーゼ型受容体の細胞内信号伝達系とクロストークする可能性が示唆された。さらに、チロシンキナーゼ型受容体との共役がすでに明らかにされているその他の細胞内情報伝達分子(Rasなどの低分子量G蛋白,Srcなどの非受容体型チロシンキナーゼ)との共役を明らかにするとともに、CCK-B/ガストリンがアクチンストレスファイバー再構築を著明に誘導することを見い出した。また現在、CCK-B/ガストリン受容体の中枢神経系などにおける生理的意義の解明を目的として、本受容体遺伝子ノックアウトマウスを作成している。ヒト癌細胞における発現については、生検材料を用いRT-PCR法などを用い検討し、本受容体発現が肺小細胞癌診断の分子マーカーとなることを見い出している。さらにヒト癌細胞株に対して増殖抑制効果を持つヒトCCK-B/ガストリン受容体特異的拮抗薬を見い出した。
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Report
(1 results)
Research Products
(11 results)