エリスロポエチン受容体の情報伝達機構と細胞増殖およびがん化との関連
Project/Area Number |
05152098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉村 昭彦 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (90182815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原口 みさ子 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10244229)
住澤 知之 鹿児島大学, 医学部, 助手 (90206582)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | エリスロポエチン / 受容体 / 情報伝達機構 / 活性化 / キメラ分子 / 分子生物学 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
Research Abstract |
我々はエリスロポエチン(EPO)受容体の活性化機構を解明する目的でチロシンキナーゼ型受容体(EGF受容体)の細胞外ドメインとEPO受容体細胞内ドメインのキメラ分子を作成しその機能を解析した。インターロイキン3の依存して増殖する細胞やエリスロポエチンに応答して分化する細胞にキメラ分子を導入したところ、キメラ分子はリガンド(EGF)に依存して2量体化し、細胞増殖および細胞分化(グロビンの合成)を誘導することがわかった。またその際におこる細胞内蛋白質のチロシンりん酸化のシグナルを発生するのに必要十分な機能がそなわっていることが明らかとなった。またEPO受容体の細胞内ドメインのC末端半分の約100アミノ酸残基を削ると、むしろ強く増殖や分化を誘導するようになった。したがって分化のシグナルに必須の領域はEPO受容体細胞内ドメインの膜に近い約120アミノ酸の範囲にあり、増殖のシグナルに必須の領域とオーバーラップしておりC末端半分はそれらのシグナルを負に調節していることになる。 受容体の情報伝達機構に関して、我々はEPO受容体と130キロダルトンのチロシンりん酸化蛋白質が会合していることを示した。最近この蛋白質はおそらく新規チロシンキナーゼJAK2であることが報告された。JAK2はエリスロポエチンだけでなく多くのサイトカイン受容体のシグナル伝達に関与しているらしい。そこでJAK2ないしサイトカイト受容体の最終ターゲットである標的遺伝子群をサブトラクション法に数個クローニングした。今後これらの遺伝子自身の機能と転写調節の機構を解明する予定である。これによって受容体から遺伝子に至る情報の流れが明確になると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)