Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
近年,胃がん発症の強いリスクファクターとしてHelicobacter pylori(H.pylori)感染が指摘されている。本研究班では胃がん組織におけるH.polori感染の有無とTPR(translocating promoter region)-MET oncogenic rearrengeinentとの関連を検討した。分化型胃がん組織ではがん部からのH.pyloriの検出率は培養法では20%と低率だが,H.pyloriウレアーゼ遺伝子alphaサブユニットを標的とするPCR法では約70%であり,周辺非がん部と同等であった。H.pyloriの有無は,がん部,非がん部では対応しており,がん部においてはH.pyloriが微量のために培養法では検出率が低いと指定された。がん部,非がん部の各々からRNAを抽出し,RT-PCR法によってTPR-MET再構成mRNAを検出したが,がん部,非がん部のいずれにおいても再構成はほとんど認められなかった。しかし,METを検出するRT-PCR法では,がん部,非がん部のいずれにおいても,とくにH.pylori陽性組織において,その発現が増強しており,H.pylori感染とMET発現増強の関連が推測された。METのリガンドであるHGE(hepatocyte growth factor)が胃粘膜上皮再生過程に関与していることが報告されており,したがって,H.pylori感染はHGF-HGF受容体(MET)系を介して胃粘膜上皮の増殖,再生に関連して,発がんのリスクを亢進させている可能性が推測される。 今後,さらにH.pylori,感染胃粘膜のMETのisoform,機能と細胞内情報感染胃粘膜のHGF産生,等の解析が必要と考えられる。
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