TGFbetaで誘導されrasで発現の消失する遺伝子(HIC-5)の増殖における機能の解析
Project/Area Number |
05152117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
柴沼 質子 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (60245876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒田 悟 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (20159502)
真下 順一 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 助手 (60054045)
野瀬 清 昭和大学, 薬学部・微生物薬品化学教室, 教授 (70012747)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | TGF-beta / cDNA / 増殖制御 |
Research Abstract |
TGFbetaで誘導される新規遺伝子として分離したHIC-5遺伝子は、C-末端にlin-11と相同性を示す7個のZn-フィンガーを持っていることから転写制御因子の一つと予想される。 本年度はこの遺伝子産物の構造と機能の解析を行った。HIC-5cDNAは440個のアミノ酸からなる蛋白質をコードし、この蛋白質はN-末端にProに富む領域を持つと予想された。アミノ酸配列から合成ペプチドを作り、その抗体を作成した。これを用いた免疫沈降の結果、HIC-5蛋白質は核に局在することが示された。HIC-5遺伝子の塩基配列はマウスとヒトとの間で保存されていると考えられ、この遺伝子の発現は、v-rasで形質転換したNIH 3T3細胞および各種のヒト癌細胞株で著しく低下していた。逆に正常ヒト繊維芽細胞の若い細胞での発現は低く、加令し増殖を停止した細胞において上昇した。この増殖における機能を直接的に解析するため、HIC-5 cDNAの動物細胞での発現ベクターを構築し、細胞への導入を行った。発現ベクターとしてネオマイシン耐性遺伝子を含むプラスミドを用い、MC3T3細胞および不死化ヒト繊維芽細胞(KMST-6)に導入してネオマイシン耐性コロニーの出現頻度を測定した。その結果、HIC-5の発現はコロニー形成率を低下させ、細胞増殖の抑制作用を持つことが示された。しかし、発現ベクターを細胞へマイクロインジェクションしてもDNA合成には影響せず、HIC-5遺伝子産物は細胞周期進行を制御するのではなく、分裂回数の計測に関与することが考えられる。現在HIC-5蛋白質が結合するDNA配列および核蛋白質の検索を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)