Project/Area Number |
05152129
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
中辻 憲夫 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 教授 (80237312)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白吉 安昭 国立遺伝学研究所, 遺伝実験生物保存研究センター, 助手 (90249946)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
|
Keywords | 神経細胞 / がん遺伝子 / 細胞増殖 / 細胞分化 / マウス / 神経発生 |
Research Abstract |
7日齡マウス胚から、中枢神経系原基である神経板を酵素処理などによって単離して、細胞外基質でコートした培養器を使って培養した。これらの初代培養神経板細胞にマーカー遺伝子1acZを導入してその効率を検討した。リポフェクション試薬を2種類使用して遺伝子導入を行なった。DNA量、処理時間、培養液中の血清濃度を変えることによって条件を探し、さらに細胞を軽度に酵素処理することによってリポゾームとの直接接触量を増やすことなどを詳しく検討したが、予想に反して細胞への遺伝子導入効率を上げることが出来なかった。また、神経板細胞に対する成長因子の効果を調べたが、その中でVIP(vasoactive intestinal peptide)が神経板細胞の増殖を顕著に促進することを確認した。一方、同じ時期のマウス胚から取り出した始原生殖細胞についても培養条件を改良したのちに、SV40largeT遺伝子の導入を行い、予備実験としては導入に成功した。 このように、マウス胎仔から中枢神経系初期幹細胞を単離して培養する実験系を確立することができた。遺伝子導入に関しては、当初高率での導入を期待したリポフェクションが上皮系細胞では効率の低いことが判明して、神経板細胞でも効率を上げることができなかった。この点については、最近当研究室に共同機器として自動顕微注入装置が設置された。この装置を使うと、培養器底に付着した細胞については細胞核への顕微注入を数千個の規模で実行することが可能であり、この装置を使った遺伝子導入を開始しているところである。一方、神経系初期幹細胞の増殖と分化に影響を与える成長因子の候補がいくつか知られてきているので、VIPを含めてこれらについて、神経板細胞の増殖と神経細胞への分化に対する効果を調べようとしている。
|