Project/Area Number |
05152133
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
西澤 誠 財団法人癌研究會, 癌研究所, 研究員 (30192248)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Keywords | 核内がん遺伝子 / 転写制御因子 / AP-1 / mafがん遺伝子 / 細胞分化 |
Research Abstract |
本年度は本研究の研究対象としていたmafがん遺伝子に関してこれまでよりも大きな進展があった。これまで長い間懸案であったMaf蛋白質の認識するDNA配列が13あるいは14塩基対からなる比較的長い回文配列であることを決定し、この配列が、Fos,Junがん遺伝子産物(転写因子、AP-1)の認識する配列と部分的に同一であること、またMafはFos,Junの両方とヘテロ2量体を形成して、新たなDNA認識特異性を獲得することも明らかにした。さらに、長い認識配列を利用して、Mafの標的遺伝子を検索し、mafの関連遺伝子産物が赤芽球細胞で特異的に発現している遺伝子の発現、あるいは血球系の細胞分化を制御するのに必要な転写因子として知られていたNF-E2のcomponentとして機能していることを明らかにした。NF-E2に関しては我々の他に、米国のグループもNF-E2を精製し、クローニングするという方法でも同じ結論を得て、ほぼ同時期に論文を発表している。これらの結果からMaf,Fos,Junといった核内がん遺伝子産物は細部分化に関わる認識配列の類似した転写因子と蛋白質レベルあるいは標的DNA配列上で〓抗することにより細胞分化を妨げ、これが細胞のがん化に繋がるという仮説が導かれている。今後はより具体的に細胞のがん化という現象に重要な役割を果たす標的遺伝子の決定に研究を進めてゆきたいと考えている。
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