Project/Area Number |
05152148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
本間 好 (財)東京都老人総合研究所, 研究員 (60192324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 美和子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40192538)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | イノシトールリン脂質代謝 / ホスホリパーゼC(PLC) / 大腸癌 / 家族制大腸腺腫症 / ホスホリパーゼC阻害ペプチド / 細胞増殖 / 抗癌剤 / リポソーム |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質特異的ホスホリパーゼC(PLC)は各種受容体刺激により活性化され、細胞内セカンドメッセンジャーを産生する。我々はPLCの活性化機構を解析する過程で、分子内にPLC活性そのものを阻害する領域が存在することを見い出した。さらにこの活性阻害に必要なアミノ酸一次構造はTyrArgLysMetArgLeuArgTyrであり、本ペプチドを細胞内へ導入することにより受容体活性化に伴うセカンドメッセンジャー産生が抑制されることを明らかにした。さらに、本研究ではPLC阻害ペプチドの修飾体(アミド基やアセチル基の導入)を用いて、すでにPLC発現やイノシトールリン脂質代謝の解折を終えているヒト大腸癌由来細胞をモデルとして、PLC阻害ペプチドの増殖抑成効果について検討した。 家族性大腸腺腫症(FAP)に由来する大腸癌細胞(KMS-8)では、大腸由来正常細胞に比べ恒常的にPLCが活性化されている。本細胞培養液中にPLC阻害ペプチドを添加すると、濃度依存的にDNA合成の抑制と添加2日後の生細胞の減少が観察され、増殖抑制効果が認められた。(IC_<50>=0.5mug/ml)。同様の増殖抑制効果は、PLC阻害ペプチドを人工リポーソム膜に組み込んで導入した場合にも認められた。両方の場合共に、PLC阻害ペプチドによりKMS-8細胞の内在性PLC活性は抑制されていた。一方、アミノ酸置換によりPLC阻害活性を持たないペプチドは、増殖抑制効果を示さなかった。 上記PLC阻害ペプチドによる増殖抑制効果はFAP由来大腸癌細胞だけでなく、PLC活性上昇の認められる一般の大腸癌細胞においても観察されたが、大腸由来正常細胞では観察されなかった。
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