Project/Area Number |
05152149
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40152615)
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Project Period (FY) |
1991 – 1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥10,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000)
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Keywords | 8-ヒドロキシグアニン / ディーゼル微粒子 / 慢性肝炎 |
Research Abstract |
活性酸素によるDNA損傷と発癌の関係を明らかにするために、8-ヒドロキシグアニン(oh^8Gua)の生成および修復について研究した。 1.ディーゼル微粒子(DEP)による肺腫瘍発生に活性酸素が関与しているかどうかを調べるため、高脂肪食群と普通脂肪食群のマウスの気管内にDEPを投与し、経時的に肺DNA中のoh^8Guaの量を測定した。oh^8GuaはDEP投与3時間後から2日目まで有意に増加し、以後減少した。高脂肪食群にDEPを投与した場合に最も高レベルのoh^8Guaが検出された。これらの結果からDEPおよび高脂肪食により生じる活性酸素がマウスの肺腫瘍発生に重要な役割を演じていると考えられる。 2.ヒト肝癌では、p53癌抑制遺伝子に多くのGC→TAトランスバージョンが見い出される。この突然変異は活性酸素の作用によりDNA中に生じたoh^8Guaが原因で起こった可能性が考えられる。そこで、正常肝、慢性肝炎、肝硬変、肝がん組織からDNAを抽出しoh^8Guaの分析を行ったところ、特に慢性肝炎でoh^8Gua値が高かった。すなわち慢性肝炎の段階で発生する活性酸素による肝発癌の機構が示唆された。 3.N-アルキルプリンを除去修復する哺乳類N-メチルプリンDNAグリコシラーゼが酸化的DNA損傷の一つであるoh^8Guaをも修復し、大腸菌のoh^8Gua修復欠損株であるmutM変異体を相補することが判明した。このことから、哺乳類細胞では、oh^8Guaが複数の経路で修復されることがわかった。 4.oh^8Guaに対するモノクロナル抗体を結合させたアフィニティーカラムは動物臓器の粗抽出液のoh^8Guaグリコシラーゼ活性を簡便に測定するために有効であることがわかった。
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