Project/Area Number |
05152157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
小幡 裕一 愛知県がんセンター, 免疫学部, 室長 (30177290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 了 愛知県がんセンター, 免疫学部, 研究員 (60227684)
田口 修 愛知県がんセンター, 病理学・第二部, 主任研究員 (00142167)
高橋 利忠 愛知県がんセンター, 副所長 (00124529)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | マウスTL抗原 / MHCクラスI分子 / 遺伝子導入マウス / 白血病 / T細胞 / Notch-1 / c-myc |
Research Abstract |
マウスTL抗原は、MHCクラスI分子ではあるが、その発現は正常胸腺T細胞、腸上皮細胞及び白血病細胞に限られる。TL遺伝子導入マウスの1系統は、胸腺の発育異常を起こしT細胞分化がgammadelta経路に偏向し、さらに白血病を発症する。本研究の目的は、TL遺伝子導入マウスの解析を中心に白血病の発症機序並びに正常T細胞の分化機構を解明することであり、今年度は以下の結果が得られた。 1.白血病発症におけるTL抗原発現の意義:TL遺伝子導入マウスでは、TL抗原の大量発現がT細胞の分化異常を引き起こし、癌化のターゲットになるgammadelta細胞群を増大させたと考えられる。新たに作出した十数系統の遺伝子導入マウスの解析を行い、白血病を発症するマウス以外のTL遺伝子導入マウスでも、gammadeltaT細胞リセプター(TCR)を持つ細胞傷害性T細胞が高頻度で誘導される結果が得られた。このことから、胸腺でのTL抗原の発現が、T細胞分化をgammadelta経路に偏向させることが明らかになった。 2.白血病発症に関与する遺伝的要因:分化異常から腫瘍発生に至る過程を明らかにするため、癌遺伝子および癌抑制遺伝子に焦点をあて経時的に検索した。c-mycとbcl-2の発現が、生後0日の胸腺で既に増大しており、これらが癌化の初期要因であることが示唆された。さらに、発症した白血病では、Notch-1の再構成と発現増大、pim-1の発現増大、内在性レトロウイルス遺伝子の転座が観察され、これらが癌化の後期要因と考えられた。 3.ヒトTL様抗原:TL抗原を認識する細胞傷害性T細胞の解析から、TL抗原が抗原提示分子として機能することが示唆された。抗原ペプチドと結合しTCRに提示する領域に焦点をあて、TL抗原の配列を基にプローブを作成し、ヒトの胸腺及び腸のRT-PCR産物の解析およびcDNAライブラリーの検索を開始した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)