c-kitリセプターと介した固型腫瘍の増殖及び運動制御に基づく治療法の検討
Project/Area Number |
05152158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Cancer Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
上田 龍三 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 部長 (20142169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 利忠 愛知県がんセンター研究所, 免疫学部, 副所長兼部長 (00124529)
塚本 徹哉 愛知県がんセンター研究所, 免疫学部, 研究員 (00236861)
樋田 豊明 愛知県がんセンター研究所, 研究員 (80250249)
高橋 隆 愛知県がんセンター研究所, 化学療法部, 室長 (50231395)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 肺癌 / 乳癌 / 固型腫瘍 / c-kit / SCF / chemotaxis |
Research Abstract |
レセプター型チロシンキナーゼを規定するc-kitタンパクの固型腫瘍(特に肺癌と乳癌)の発生・進展における役割を検討することによって、c-kitリセプターを標的とした新しいがん化学療法の開発を目指した。肺癌の内でも高転移性で悪性度の高い小細胞癌に、異所性にc-kitが発現されていることを見い出すとともに、c-kitのリガンドであるSCFによってc-kitのリン酸化とそれに伴うchemotaxisが誘起されることを明らかとした。更に、SCFによって、c-kitを介して誘起されるchemotaxisを抗c-kit抗体によるSCF結合阻害、及びタイロシンキナーゼ阻害剤あるいは、細胞骨格成分の合成阻害剤等の添加によって阻止し得る可能性を示唆する結果が得られた。今後は、c-kitを介した転移の成立とその阻害の可能性について、in vivoの実験系等を用いて検討を重ねたい。 一方、乳癌については正常乳腺上皮に強陽性のc-kitが、癌化に伴い消失することを見い出し、c-kitレセプターを介した乳癌の分化誘導・増殖抑制について検討した。c-kit陰性乳癌細胞株(MCF-7)にc-kit cDNAを導入したところ、G418選択後のコロニー数の減少を認めた。また、c-kit陽性コロニーの割合の著明な減少も認められ、c-kit発現が乳癌の増殖に負に働きいることが示唆された。現在、誘導可能なプロモーターを用いて、c-kitの発現を調節し得るトランスフェクタントが得られ、更に増殖抑制機構について解析を進めつつある。c-kit発現によって乳癌の増殖抑制し得る可能性を示唆する結果は、将来の遺伝子治療あるいは、c-kitを介する負のシグナルを誘導する新しいがん治療薬剤の開発に継がることが期待されよう。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)