高度情報化社会における医療情報のプライバシー保護意識に関する研究
Project/Area Number |
05202109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
渡邉 亮一 自治医科大学, 医学部, 講師 (20175136)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 晧二 鈴鹿医療科学技術大学, 医用工学部, 教授 (00112269)
辻 和男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70155365)
宮治 真 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (80128678)
石川 澄 香川医科大学, 医学部, 助教授 (30168190)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | プライバシー / プライバシー保護 / 医療情報 / 診療録 / 閲覧請求権 / 同意 / インフォームド・コンセント / 自己決定権 |
Research Abstract |
本研究は、高度に情報化した今日の医療関係者(医師)の医療情報についてのプライバシー保護意識を調査し、医療情報のプライバシー保護のあり方を研究することを目的としているが、本年度は、平成4年度に作成した調査を用いて、実際に調査を行った。 調査は、全国の医師のなかから層化無作為法で抽出した4000名の医師を対象に郵送法で行い1603名より回答が得た(回収率40%)。 調査の結果、患者のプライバシーの権利を保証するためには、患者の秘密を漏洩しないことが重要であるという意見は当然多かったが、患者がデータを閲覧する権利やデータの複写を要求する権利の保証が重要であるという意見も少なくなく、医師のプライバシー保護に対する意識は、インフオームド・コンセントの概念の普及などにより、変化しているものと考えられた。しかしながら、診療録の内容をすべて患者にみせるべきであるとする意見は、わずかに5%であった。ただし、検査結果など診療録のなかの客観的なデータ部分については、みせるべきであるとする意見が70%以上を占めた。また、患者のデータを研究などの診療以外の目的で利用する場合、60%以上の者が患者が同定できないにして利用すれば患者の同意を得なくてもよいと考えており、患者の同意が必要であるという意見は約20%であった。 今回の調査は、医療を提供する側のプライバシー保護意識を調査したものであり、医療情報のプライバシー保護のあり方を考える場合には、患者側の意見をも考慮する必要があるが、診療録の閲覧請求権などの法制化よりも、現時点ではむしろ、医療関係者自らのプライバシー保護意識を高めるための努力(教育や啓豪、ガイドラインの策定など)が重要であると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)