コンピュータ・エシックスの観点から見た高度技術社会における道徳観の展望
Project/Area Number |
05202205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
越智 貢 広島大学, 文学部, 助教授 (00152512)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | コンピュータ・エシックス / 高度技術社会 / モラルの変容 / 幸福 |
Research Abstract |
今年度の研究関心は、第5群全体のテーマである「文化変容」という問題に研究代表者のこれまでの研究成果をどのように組み入れるかという点にあった。たとえば前年度に研究代表者は、「情報化にともなうモラルの変容」という視点からコミュニケーションとくに身体論的コミュニケーションの分析を試み、コミュニケーションにおける時間性の重要性を明らかにしたが(論文「コミュニケーションと共時性」)、こうした成果を群全体の研究方向に実質的につなげるためには、さらに別の角度からの研究が必要だと思われた。 そのための研究として今年度集中的に取り組んだのは、モラルにおける「幸福」の変容の問題である。コミュニケーションと幸福との関係、時間性と幸福との関係、そして幸福観の歴史的変遷の分析などがその論究対象となったが、この研究の概要は「モラル・モニズムと幸せ」という論文に展開されている。この研究が今年度の最大の収穫であり、来年度の研究に直接つながるものと考えている。来年度はこうした成果を具体的材料として「文化変容」を「モラルの変容」の視点でまとめてゆく予定である。 こうした意味において、来年度の研究の実質的な見通しをつけるという今年度の目標は、ほぼ当初の方針どおりに遂行されたと考えている。所属大学の事情(学部移転)で今年度はこれまでのように各種シンポジウムや研究会に積極的に参加することが許されなかったが、それでも研究の上で他の班の研究者から大いに刺激を受けた点は記しておかなければならない。今年度の幸福論の研究も第5群の別の班の研究会でヒントを得たものにほかならない。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)