Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 房夫 群馬大学, 教育学部, 名誉教授
山縣 耕太郎 上越教育大学, 助手 (80239855)
岡 秀一 東京都立大学, 理学部, 助手 (50106605)
森脇 広 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (70200459)
日下部 実 岡山大学, 地球内部研究センター, 教授 (20015770)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本研究の第1の目的である大規模火山噴火が気候と文明にどのような影響を与えたかについては、1)日本及び世界各地の過去2000年間の爆発的噴火について,VEI4以上,それ以前の8000年間についてはVEI5以上を収集し,詳しいデータベースを作成した.これは地球環境の変化の仕組みや極地の氷コア分析,海洋底堆積物中テフラの同定などの研究に威力を発揮する.データベースに記載した項目には,火山名,テフラ名,地域,噴火年代,VEIのほか,火山番号,噴火月日,DVI,テフラの体積,岩質,エアロゾル放出量,噴火様式,文献などがある.2)各噴火のエアロゾル放出量をテフラのガラスを詳しく分析することによって求めた.これは諸記録にみられる気候変化の原因解明に基礎資料となろう.3)ニューギニア・ニューブリテン島の火山活動が約3000-1800年前のラピタ式土器文化の変遷に著しい影響を与えたことがわかった。 第2の目的である噴火が自然生態系に与える影響については,南九州鬼界アカホヤ噴火について噴火降灰が平野部の地形に大規模な変革をもたらす過程の一端が明かとなった。また近世北海道の噴火についての年輪年代学的研究では,降灰が植物に影響を与えたおよその範囲が推定され,それに依存して生活していた人々への噴火の影響の一端がわかった.このほか,イタリアフェススブィオ火山79年の噴火がローマ時代の町と農村の変貌にいかに関わったか,またテフラと土壌との類別方法などに新しい進展がみられた.
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