生業形態を異にする民族の生物学的背景を探る-古分子生物学的視点を加えて
Project/Area Number |
05203201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 貴文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (20184533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 信太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20143357)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 古人骨 / DNA / HTLV-1 / 細胞銀行 |
Research Abstract |
1)過去からの遺伝子:出土人骨よりDNAを抽出し、(1)ヒト特異的DNAを指標に、出土した骨が本当にまず人骨であるのかどうか、(2)XおよびY性染色体上に存在するDNA領域の分析から人骨は男であるのか女であるのか、(3)高度の多型性(個体差)を示すDNA領域や母系遺伝をするミトコンドリアDNAを指標として出土した人骨の間における血縁関係はどうか、(4)これを集団レベルで応用することにより、集団内構造や集団間構造はどうなっているのか、等を明らかにすることが出来るようになった。 2)現在の遺伝子:細胞依存性の感染形態をとるがゆえに異民族間で、ましてや、異種間での感染は有り得ないとされてきたHTLV-1ではあったが、過去に異種間(ヒトと他の霊長類)の感染が少なくとも2回はあったらしい点が示唆された。もしこのようなことが過去に起こっていたならばこれまでの人種や民族との関係についても考え直さなくてはならないことになるので興味深い。HTLV-1の分布と系統を知ることは、人種の移動や系統といった点だけでなく、ヒトと動物との関わりについても新たな知見をもたらすと思われる。 3)未来への遺伝子:細胞を株化し永久増殖系に移すことにより、遺伝子を生きた状態で将来に残すことが可能となる。そこで、試料収集法・試料輸送法・細胞株化培養法の検討をおこない細胞株化効率の改善に努めた。その結果、現在、室温保存で3日間ならば100%、冷蔵保存ならば12日でも70%近い成功率が得られるようになり、殆ど全ての人類学調査からもたらされる試料が利用可能となった。実際、この方法で11集団300株近い細胞株を樹立することが出来た。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)