Project/Area Number |
05204209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Rissho University |
Principal Investigator |
永峯 三千輝 立正大学, 経済学部, 教授 (70062867)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ドイツ戦後改革 / ドイツ占領政策 / ニュルンベルク裁判 / 第三帝国 / 文化保安本部 / ソ連占領政策 / ゲシュタポ / 民情報告 |
Research Abstract |
ドイツ戦後改革は連合国の占領下で始まる。したがって、戦後改革を担う主体は一方では占領当局であり、他方ではドイツ人である。このドイツ人の戦後出発点における精神構造とそれを規定した諸関係をさぐるために、今年は戦時期の文書を中心に、さまざまの分野のドイツ人の精神構造を調べた。ドイツ連邦文書館の史料を取り寄せ、なかでもライヒ保安本部の文書類を中心に、ドイツが占領していたソ連・東欧などの出先占領機関文書などを調べた。戦後ドイツが分割占領されざるをえなかった占領下の実態が、わが国では全く解明されておらず、上記のような一次史料の調査は、戦後史を規定するダイナミックな力関係の形成をリアルに明らかにするものであった。 戦後改革の主体を解明するための作業として、戦後の被追放民関係の資料も調査を進めた。さらにニュルンベルク裁判のために集められた資料も調査した。そこでの検察と被告の双方の議論と証拠資料は、戦後改革の理解に対しても一級の意義をもつことがわかった。具体的には、第三帝国のライヒ保安本部内国情報部長のオットー・オーレンドルフ関係の文書を調査した。情報部のトップであると同時に経済省の次官補という高官でもあった人物が、「自由主義的経済」を自らの信念として主張している点が、その当否として、興味深い発見であった。 次年度は、これら成果をもとに戦後ドイツの難民問題の資料の調査と、難民の精神構造の分析に立ち入りたい。
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