Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
この研究は、深さ1m程度の土壌に埋もれた物体を検出できる偏波FM-CWレーダ装置を開発し、遺跡探査用の道具に資することを目標とした。昨年度までの研究により地中レーダとして適当と思われる周波数250-1000MHzを選定し,レーダの原形が作成できたので,今年度はアンテナから放射される電波を効率よく地表面に入射させるため,整合の理論的な検討を行った。250-1000MHzという超広帯域にわたり、均一なアンテナの放射特性を得ることは非常に難しいが、システムの最終的な性能はアンテナの特性に依存してくる。従ってアンテナの性能がシステム性能を決めると言っても過言ではない。今年度は地表面からある高さにホーンアンテナを設置した状態で、どの程度入射電界が変化するかを境界要素法によって解析した。計算機シミュレーションにより周波数を一定とした場合,地表面からの高さによって,最大で10dB程度の入射電界強度の変化があることが確かめられた。モデル実験によっても同様の傾向が得られ,地上に設定するアンテナの最適な高さ(我々のシステムでは約30cm)があることが実証された。この結果を元に,実際の遺跡現場で試作したレーダによる埋没物探査実験を行った。場所は新潟県小千谷市真人原遺跡と新潟県東蒲原郡三川村吉ケ沢遺跡である。しかし,長雨の影響で地面の含水率が多く,電波の減衰のため,良い検出実験成果は得られなかった。その後,大学構内の砂地で偏波を組み合わせた検出実験によって埋没物の傾き,形状などを検出することができ,かなり大きな成果を得ることができた。今後,偏波の理論的な検討を加え,さらに有効な埋没物検出レーダシステムを構成する予定である。
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