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¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
平成5年度は,電磁気を使用した各研究手法(磁気探査,電気探査,電磁探査,熱履歴測定,岩石・考古地磁気測定等)の向上と,応用範囲の拡大を目指して研究と実験を行ない,またそのために必要な機器とソフトウエアの改良を並行して行なった。とりわけ発掘調査以前の地表面からの遺跡探査に加えて,発掘調査中また発掘調査後の遺跡面において各種探査情報を収集し,解釈する手法を確立することを目指した。 実験の場としては,富山県立山町立山室堂遺跡,富山県立山町越中瀬戸窯,石川県珠洲市寺家クロバタケ窯,青森県十三湊遺跡において,探査実験と遺跡発掘調査による検証を並行して実施し,また富山大学構内において焚火実験を行ない,電磁気特性と土壌特性の変化を分析した。 以上の探査改良実験から,以下のような新しい成果を得た。 1.富山県立山町室堂遺跡と青森県十三湊遺跡の探査実験からは,建物の床下と土間や道のように遺跡を発掘しても識別しにくい区分を,電気探査によって判別できることが明らかとなった。これは人為的な地面の踏み締めの強弱が電気抵抗の違いとして表われた結果と考えられた。 2.富山県立山町越中瀬戸窯と石川県珠洲市寺家クロバタケ窯の探査実験では,窯の正確な位置と規模を探査したことに加えて,熱履歴を検討した結果,窯の熱の周辺への及び方,また焼成温度,被熱総量等,より正確な探査と研究に有益な多くの情報が得られることが判明した。 3.富山大学構内の焚火実験からは,各種測定方法の有効性や微妙な差異が明らかとなった。また帯磁率測定が有効であり,それが土壌特性の変化によるものであることも判明した。
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