対話場面における幼児の語彙獲得-助数詞を中心として-
Project/Area Number |
05206103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
仲 真紀子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (00172255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 伸子 お茶の水女子大学, 文教育学部, 教授 (70017630)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 語彙獲得 / 対話 / 発話方略 / 幼児 / 助数詞 / 認知過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は、幼児の語彙獲得過程を明らかにすることである。対話場面における獲得、特に助数詞の獲得を問題にするが、今年度は(1)語彙獲得を促進する発話方略、(2)2歳台の幼児における助数詞の使用、(3)助数詞の獲得と認知発達との関連について検討した。 (1)語彙獲得を促進する発話方略:母親は常に子どもよりもたくさん発話し、多様な発話方略を用いる。このような非対称性は、子どもの言語獲得を促進すると予想される。だが母子の会話では、認知能力、社会・運動スキル等、言語以外の要因のために非対称性が生じている可能性もあり、非対称性のどの側面が言語獲得と深く関わっているのか不明である。そこで外国人と母国語話者の会話に見られる非対称性を分析し、言語獲得を促進する対話方略を検討した。その結果、説明、質問、言いかえ、多い発話量が、言語獲得にとって重要であることが示唆された。 (2)2歳台の幼児における助数詞の使用:1組の母子の食事場面を縦断的に録音したデータから、2歳台の9ヶ月分を書き起し、予備分析した。その結果、用いられる助数詞は「回」、「個」、「つ」であること、2歳前半は「回」(おつゆもう一回)が優勢だが後半は「個」(おにくいっこ)、「つ」(ふたつおてて)が多くなることなどが見出された。 (2)助数詞の獲得と認知発達の関連:3歳後半〜6歳前半の幼児180名を対象に、実験I.線画と実物を数えさせ助数詞付与を調べる産出実験と実験II.生き物(人・匹・頭・羽)の数え誤りについて調べる再認実験を実施した。その結果、全く助数詞に気づかぬ4歳前半、気づき始める4歳後半〜5歳前半、助数詞の付与ルールを体系的に用い始める5歳後半以降というように、年齢段階とともに習得度が高くなること、獲得は「人」、「匹」、「頭」、「羽」の順であることなどが示された。また典型性の高い事例ほど習得度が高いことも明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)