Project/Area Number |
05207110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉田 芳史 京都大学, 東南アジア研究センター, 助教授 (90197567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 卓 天理大学, 国際文化学部, 助教授 (00208448)
村嶋 英治 成蹊大学, 文学部, 助教授 (70239515)
赤木 攻 大阪外国語大学, 外国語学部, 教授 (10030157)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 東南アジア / 近代国家形成 / タイ / チャクリー改革 |
Research Abstract |
タイのチャクリー改革とはいったい何であったのか。この改革には外文明(西洋)と内世界(タイ)の論理がそれぞれどのように働いていたのか。これらの点を解明するのが本研究の目的である。今年度は研究組織の各メンバーが玉田は王権の変容、赤木は国家形成と文化、村嶋は政治思潮の変化、橋本は地方行政改革と、それぞれの役割分担に応じて個別の研究に着手した。それと並んで4回の研究会を開催した。研究会では、メンバーの活発な意見交換に加えて、タイ人歴史研究者を招いてタイ語で話題を提供してもらった。 一般には、この改革は、日本の明治維新と同様に、西洋の衝撃あるいは植民地化の脅威に直面し、独立を維持するための近代化であったと理解されている。ところが今年度の研究から、改革を主導したラーマ5世にあっては西洋の脅威に対する危機感が稀薄であり、独立維持を直接の目的とした政策が少ないことが明らかになってきた。王は西洋列強よりもむしろ国内の貴族に大きな脅威を見いだしていたように思われる。つまり、主たる敵は国外ではなく、国内にあったということである。このため、改革はもっぱら貴族から権力を剥奪し、王家に権力を集中することを意図したものとなっていた。 来年度以降は、西洋の脅威に対する危機感がなぜ稀薄であったのか、国王がなぜ王家への権力集中に躍起になったのか、支配者階級以外の知識人が改革をどう捉えていたのか、などといった点を中心として研究を進める予定にしている。また、研究会では個別研究の進捗に応じて研究組織メンバーによる発表を増やす他、タイ以外のアジア諸国(例えば韓国・朝鮮)との比較を考慮したい。
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