Project/Area Number |
05209211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
小夫家 芳明 静岡大学, 工学部, 教授 (80026195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康隆 静岡大学, 工学部, 助手 (10240798)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | イオンチャンネル / ポリエーテル / レゾルシン / イオン対 / 電位依存性 / 自己組織化 / β-ジケトン |
Research Abstract |
それ自身はホスト機能を持たない化合物を、遷移金属(M_1)を用いてホスト機能を有する構造体に組織化出来る構造-機能変換ホスト分子系として合成した、ビス(β-ジケトン)-ポリエーテルの銅錯体は、典型的なクラウンエーテルジベンゾ-18-クラウン-6(DB18C6)と比較しても、アルカリ金属イオン(M_2)に対してはるかに高い抽出能を示した。更にここで得られた、K^+イオンを協同的に取り込んだプレホスト-銅錯体のX線結晶解析を行い、設計通り平面状の銅-β-ジケトナート錯体により構築された擬クラウン環にK^+イオンが協同的に取り込まれているものであることを証明した。 単一イオンチャネル分子の合成を目指して、レゾルシンと長鎖アルデヒドを縮合した大環状四量体を合成した。これを平面脂質2分子膜に導入し、単一チャネルレベルの安定なイオン電流を観測たところ、広い印加電圧範囲で6pSの一種類のみの電導度を与え、K^+/Cl^-透過選択性比=20が得られた。更に驚くべきことに、K^+/Na^+透過選択性比=5.7を有することが明らかとなり、レゾルシン環状四量体がハーフチャネルとして膜を貫通するポアを提供したイオンチャネルを形成していることが示された。またオリゴエチレングリコールリン酸と疎水性アルキルアンモニウム基との間のイオン対は過剰のアニオン電荷を膜に固定することによって、イオン電流の開閉に対して天然の電位依存性イオンチャネルと全く同様な電位依存性を示した。即ち、電導度自体のデジタル量を一定に保ったまま、流す時間によって全電流量を制御するという天然イオンチャネルと全く同じ方式がこのように簡単な人工物質を用いて忠実に表現出来ることを見い出した。
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