Project/Area Number |
05209215
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡辺 芳人 京都大学, 工学部, 助教授 (10201245)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
|
Keywords | 金属ポルフィリン / 酸化活性種 / 酵素モデル |
Research Abstract |
ポルフィリン環の構造及び電子状態を制御する目的で、右に示す様なメソ位に種々の置換基を有するポルフィリン錯体(A)の合成を行なった。さらに過酸付加体の立体的構造と安定性を制御するために、種々の過酸および酸化剤を合成した。 酸化剤と金属ポルフィリン錯体との反応は、-78℃前後の低温下で行ない、EPR,IR,UV-vis等のスペクトルの直接観測により反応の経時変化を追跡したところ、電子欠乏系では過酸付加体1が安定に生成することを明らかとした。そこで、高原子価オキソ鉄錯体との反応性に違いについて検討を加えた。その結果、オキソ鉄錯体では、基質に対する立体選択性がもっぱらポルフィリン環の構造に依存しているのに対し、過酸付加体1による酸化反応では、過酸及びポルフィリン環の両者の構造に大きく依存していることが明らかとなった。更に、光学活性な過酸の付加体を用いて、スルフィドの不斉酸化反応を検討したところ、小さい値ではあるが、生成物(スルフォキシド)への不斉誘導に成功した。 さらに、高原子価オキソ鉄錯体と過酸付加体1は、ポルフィリン環の電子状態に摂動を加えること以外に、反応溶媒の極性を変えることでも可能であることが明らかとなった。一方、Coumpoun Iと同じ酸化状態にあるFe(III)ポルフィリンジカチオンの合成に初めて成功した。この錯体は、ペルオキシダーゼ反応における不安定中間体の可能性が指摘されており、その化学反応性を明らかとした。
|