Project/Area Number |
05209231
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
西長 明 大阪工業大学, 工学部, 教授 (80025882)
|
Project Period (FY) |
1991 – 1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
|
Keywords | ジオキシゲナーゼ / 酸素化反応 / フラボノール / フェノール / コバルト錯体 / カテコール / 鉄アミン錯体 |
Research Abstract |
1.モデルクェルセチナーゼ反応:DMF中における酸素取り込み反応の活性種FIO^-M^+(M=Co^<III>(salen),K,Na,Li)(FIOH=フラボノール基質)への酸素導入反応に対する金属イオンの効果について検討したところ、すべての場合に酵素反応型生成物を定量的に生成した。しかし、酸素導入速度の順:Co^<III>(salen);6X10^<-3>>K;5.9X10^<-4>>Na;2.5X10^<-4>>Li;1.6X10^<-4>(mol^<-1>s^<-1>)はDMF中のFIO^-M^+の会合状態を反映していると考えられるUVスペクトルの特徴的吸収帯の短波長シフトの順:〔Co^<III>(salen)〕^+;472>K^+;469Na^+;466>Li^+;457nmの順に対応しており、酸素が単に基質アニオンと反応するのではなく、基質アニオンに金属イオンが緩やかに会合することが酸素導入に重要であることを明らかにした。 2.フェノール類の酸化還元電位と酸素導入:フェノール基質(1)の位置特異的酸素導入反応がフェノキシアニオン(1^-)の酸化還元電位(E^O)と直接相関することを明かにした。即ち、1(E^O<-650mV)では1^-の遊離、会合状態の如何にかかわらず酸素はp^-位に導入され、1(-645<E^O<-316mV)では、遊離状の1^-に酸素は導入されないが、K^+,〔Co(salen)^<III>〕^+との会合状態で酸素がo-位に導入される。また、1(E^O>-316mV)では、K^+との会合状態では酸素化は起こらないが、〔Co^<III>(salen)〕^+と会合したときにのみ酸素がo-位に導入される。これらの反応がフェノキシラジカル中間体を含まないことを明らかにした。 3.モデルカテコールジオキシゲナーゼ反応におけるFe^<3+>イオンの役割:3,5-Di-t-butylcatecholを2当量のt-BuOK存在下メタノール中で酸素酸化すると、セミキノン中間体を経由する複雑な反応になるが、この系にFe^<III>(NTA)を添加すると、セミキノンが直ちに消失し、反応速度に大きい影響はみられないが、反応経路が著しく単純化されて、酵素反応型生成物を高選択的に与えることを明かにした。 以上、ジオキシゲナーゼ型酸素化反応が高選択的に進行するためには、酸素が導入される段階に基質ラジカルを含まないことが重要であることを明かにした。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)