Project/Area Number |
05211219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
勝亦 徹 東洋大学, 工学部, 助教授 (60204442)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | その場観察 / ほう酸リチウム単結晶 / 画像処理技術 / 融液対流 |
Research Abstract |
この研究ではその場観察装置を改良し観察の高精度化を行った、併せて画像処理技術を応用して結晶成長速度の定量化を行った。成長温度、原料組成を様々に変えた条件下でほう酸リチウム単結晶を成長し、成長過程をビデオに録画した。得られた画像をコンピユータを用いて処理し、結晶成長速度の成長条件依存性を解析した。ガラス内部での成長では結晶成長速度は温度の上昇とともに増加したが、変化は直線的ではなかった。ガラスからの成長では成長温度の上昇にともなって過冷却度は低下するが、同時にガラスの粘性の低下、成長界面での拡散速度の増加が起き、その結果、成長速度が増加するものと考えられる。成長速度の温度依存性は組成により異なっていた。成長結晶Li2B4O7の組成x=0.67よりもリチウム過剰組成であるx=0.64のガラスからの成長では、成長速度が温度の上昇に伴って不連続に増加した。ホウ素過剰組成x=0.68のガラスからの成長では不連続性は見られず、成長速度は温度の上昇と伴に急激に増加した。リチウム過剰組成での不連続な成長速度の変化の原因としては、成長界面近傍でのリチウム濃度の増加に伴う体積変化によるマイクロクラックの発生が考えられる。成長界面でのマイクロクラックの発生が成長の駆動力となる原子拡散の障害となり成長速度に不連続点を生じたものと考えられる。これらの結果はガラス内部での結晶成長が原子拡散に律速されている事を示唆するものである。一方、白金メッシュ上に乗せたほう酸リチウム融液からの成長では、成長温度の低下(過冷却度の増加)に伴ってほぼ直線的に成長速度が増加した。また、実験した範囲では、融液組成依存性はほとんど見られず成長界面付近は対流によりほぼ完全に攪拌されていることが示唆された。その場観察装置内部はほぼ等温状態であるが、白金メッシュセルを用いた観察では融液に自由表面が存在するため、表面張力の不均一性による対流(マランゴニ流)が発生しガラス内部の成長と大きく異なる結果が得られたものと考えられる。この結果は、石英板で融液をサンドイッチ状に挟み、自由表面を無くしたセルを用いた成長ではガラスからの結晶成長と類似の結果が得られることからも支持された。
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