Project/Area Number |
05212202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 教授 (60111580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三品 具文 筑波大学, 物理学系, 助手 (10209744)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 超高速情報処理 / 光コンピューター / 光スウィッチ / タイプII型量子井戸 / スピン緩和 / 光学非線形性 / ポンプ・プローブ分光 / 層間Γ-X散乱 |
Research Abstract |
将来の超高速光コンピューターをはじめとする高速光情報処理システムの開発のために、高感度かつ超高速な応答を示す非線形光学材料ならびにその機能設計の研究が盛んに行われている。光スウィッチに求められる特性として、(1)高い光学非線形性、(2)速いon-off時間、(3)高繰り返し動作の3要素がある。我々は、タイプII型量子井戸を用いた光-光スウィッチの研究により、これらの問題の解決の手段を探ってきた。 量子井戸を右まわり円偏光で励起するとσ_+遷移が起き、価電子帯m=-3/2の準位に正孔が生成され、伝導帯m=-1/2の準位に電子が生成される。このような電子・正孔対の生成過程は、タイプI型量子井戸と全く違いがなく、励起直後に得られるタイプII型量子井戸の光学非線形性(ブリーチ)の大きさは、タイプI型量子井戸のそれと同程度である。m=-1/2の準位に生成された電子は、層間Γ-X散乱によって障壁層X点へ約1psの時定数で散乱され、井戸層には正孔のみが残される。井戸層に残ったm=-3/2の準位の正孔はやがてm=3/2の準位へと散乱される。この緩和はエネルギー緩和を伴わずスピン緩和と呼ばれる。正孔のスピン緩和時間は、室温では約1psと極めて速くなる。我々は、この速いスピン緩和を光-光スウィッチに応用することを試みた。 高速スピン緩和を利用して、タイプII型量子井戸を超高速光スウィッチ素子として動作させるため偏光を用いた高感度ポンプ・プローブ分光実験を行った。実験により得られた結果をまとめると、(1)非線形性の立ち上がり、および緩和時間は、約1psである。(2)高感度な動作を示し、3nJ/cm^2の制御光強度による非線形動作を確認した。(3)高繰り返し非線形動作を確認し、連続動作の可能性を示した。これらの結果は、タイプII量子井戸中のスピン緩和を利用した非線形動作により、高繰り返し超高速光-光スウィッチ動作が実現している事を示している。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)