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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
ひずみ超格子レーザでは,ひずみの導入によりレーザの高速化が期待できることを理論的に指摘し,これまでその詳しい検討を行なった.一方実際に測定される特性を理論結果と比較すると,十分な性能がでていなかった.その主要因の一つとして量子井戸構造の界面揺らぎの問題を指摘し,この問題を解決するための原子層成長技術の研究,さらにヘテロ界面を原子レベルで評価する技術の開発を進めてきた.またこうした界面制御とともに残る問題として,レーザの変調特性に関与するヘテロ構造依存性,特にバンドオフセットの影響を理論的に検討した. ヘテロ界面の原子レベル評価を目指した研究では,原子間力顕微鏡(AFM)を用いて,HCI処理するとGaAs基板表面を一原子程度の凹凸に平坦化することが可能であること,また通常の超純水処理では,表面酸化による水溶液中への溶解により原子レベルの表面平坦性が劣化することを明らかにした.一方,滑り力の測定を併用することにより半導体ヘテロ界面で半導体を識別できることを新たに見いだした. 光通信に用いられる1.3μmならびに1.55μmの半導体レーザは,通常InP基板上に成長されるが,バンドオフセットが低いためにキャリアがヘテロ障壁を越えて分布する.一方InGaAs基板上に成長したヘテロ構造では,より大きなバンドオフセットが可能になることが示されている.こうしたキャリア分布の違いを考慮すると,InP基板上では高速変調時にキャリア輸送律速の影響が大きいため,変調周波数の上限が低くなる.一方InGaAs基板上ではこうした劣化要因がなく,100GHzに近い高速変調特性が期待できることを示した.
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