量子スピン系における端および不純物の効果に関する研究
Project/Area Number |
05215224
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鏑木 誠 神戸大学, 国際文化学部, 教授 (40093504)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 量子スピン系 / 不純物効果 / 数値的対角化法 |
Research Abstract |
標記研究課題のもとに行った研究の主な実績は以下の通りである。 I.【Impurity bondを含むS=1 Heisenberg系におけるエネルギーレベルの磁場依存性】 Valence-Bond-Solid(VBS)描像によれば,S=1 Haldane系において1つのBondを切ると,その両端にS=1/2-自由度が出現すると予測されている.我々は,そのS=1/2-自由度出現の様相を見るため,Impurity hondを含むS=1 Haldane系におけるエネルギーレベルの磁場依存性を解析的方法および数値的方法によって調べた.その結果,Impurity bondの両端のS=1/2-自由度が本質的役割を果たしており,系の低エネルギー励起は,その自由度を表現する2個のspin1/2operatorsから成る有効Hamiltonianの励起と同等になることが判明した。最近,S=1 Haldane系に非磁性Impurityを入れた系の磁化過程で,端のS=1/2-自由度を観測する実験的研究が,Kikuchi達によってなされている.数値計算および実験結果との比較が現在進行中である. II.【S=1 Heisenberg系に対するS=1/2Impurity spinの効果】 最近,S=1 Haldane系に対するS=1/2Impurity spin効果の優れた実験的研究が,Katsumata達によってなされた.その結果は,VBS描像から導かれる端のS=1/2-自由度の存在を示している.Katsumata達が実験の解析に用いたモデルは3つのS=1/2-spinからなる単純なモデルであった。本研究では,現実の系に近いモデルを解析的方法および数値的方法によって調べた.それによって,単純なモデルにおける異方性の起源,不純物スピンとの相互作用J'によるレベル分裂の様相等を明らかにした。 〓.【「KOBEPACK/S」,「KOBEPACK/I」の改良】 上記数値的方法に用いた数値的対角化のプログラムパッケージKOBEPACK/S,KOBEPACK/Iは,この重点領域研究科研費により開発したもである。本研究では、メニュー方式の主プログラムを追加するなどの改良を行い、一般ユーザ使用の便を計った。本パッケージはマニュアルと共に近々一般公開予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)