Project/Area Number |
05216202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中島 和夫 山形大学, 理学部, 助教授 (70159060)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 文孝 山形大学, 理学部, 助手 (00239807)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 沖縄トラフ / 海底熱水活動 / 伊平屋凹地 / 南奄西海丘 / 硬石膏 / 硫化鉱物 / 炭酸塩鉱物 / 流体包有物 |
Research Abstract |
沖縄トラフの熱水系のうち、伊平屋凹地と南奄西海丘から得られた熱水沈殿物を用いて、熱水の性質や海底下における熱水循環のメカニズムを知ることを目的に、熱水性沈殿物の鉱物・化学・同位体組成の分析と、その中に含まれている流体包有物の加熱冷却実験を行った。その結果、伊平屋凹地では大量のMnに富む炭酸塩で特徴づけられ、その熱水活動は、まず初期に約300℃の熱水により硬石膏の沈殿から始まり、250℃前後で大量の炭酸塩と少量の硫化鉱物が沈澱し、200℃近くになってから非晶質シリカによる交代作用が起こったことが分かった。南奄西海丘では、現在も時々爆発を起こすような活発な熱水活動であり、それは現在の湧出熱水の最高温度275℃前後で、大量の硫酸塩鉱物と硫化鉱物が沈殿してチムニー及びマウンドを形成している。 両熱水系とも、約250℃で大量の沈殿作用が起こっており、その生成条件は以下のように見積もられた。伊平屋凹地:log f O2=-37〜-39、log fS2=-10.5〜-12.5、pH=およそ4以上(ΣC=10^<-1>,ΣCa=10^<-2>として);南奄西海丘:log f O2=-31〜-35、log fS2=-8〜-11、pH=およそ4以下(ΣC=10^<-1>,ΣCa=10^<-2>として)。 これらの結果、伊平屋凹地のクラムサイトの熱水系は南奄西海丘に比べてより還元的であることがわかった。南奄西海丘の生成条件は黒鉱のそれと非常によく似た範囲に入り、伊平屋凹地の条件は黒鉱とGuyaimas basinの中間となり、海底熱水系としてはGuyaimas basinに次ぐ還元的な条件であるといえるであろう。
|