星間分子の超音速ジェットフーリエ変換マイクロ波分光
Project/Area Number |
05217204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 康裕 東京大学, 教養学部, 助手 (60213708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 泰樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (40106159)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | 星間分子 / マイクロ波分光 / 超音速ジェット / フリーラジカル |
Research Abstract |
本研究の目的は、不安定分子種に適応したセンチ波領域での実験室分光によって、星間空間中における未知分子の帰属・同定に不可欠な分光学的情報を提供することである。一昨年より、フーリエ変換マイクロ波分光法を超音速ジェット中での放電と組み合わせることにより、特に、星間空間中に多様に存在する直鎖状の炭素骨格を持つ分子について研究を行ってきた。本年度は、この様な不安定分子としてC_nOを取り上げ、C_3O_2を放電することにより、n=4-9までについて検出することができた。測定の結果から、(1)C_nOのシリーズはすべて累積2重結合型の直線構造を持つこと、(2)nが奇数の分子は^1Σ^+の電子基底状態であるのに対し、nが偶数では^3Σ^-であること、(3)類似の分子種であるC_nとは異なり、いずれのnについても擬直線性は小さく、かなり「固い」分子と見なせること、が明らかになった。本研究は、炭素鎖が順次1個づつ伸びた分子の仲間について、幾何構造や電子状態を系統的に明らかにしたものであり、炭素鎖分子の生成機構について重要な情報となりうる。また、CH_3COやCH_2CCHという飽和度の高い炭化水素系ラジカルについても、その回転スペクトルの検出に成功した。これらの分子の場合は、スペクトル中に現れる超微細構造の解析から、分子内における不対電子密度分布を定量的に決定できた。さらに、MgCl,Fe(CO)_3,Fe(CO)_4の様なラジカル種についての測定も行ない、星間空間中での金属元素の存在形態を明らかにする上で重要な、金属を含むラジカルの分光学的な検出に対しても、本研究で用いる測定法が有用であることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)