Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,データ抽象化に基づくシステムのモデル化とその形式的仕様記述法を用いて,超並列処理システムの記述を試みて,その記述法の特質の分析,超並列処理アプリケーションへの適用,並びに,記述された超並列処理システムの高効率実行方式の提案を自指す.本年度は,主として,仕様記述言語zを用いた形式的仕様記述,ならびに,超並列処理システムの実現方式に関して,以下のような研究を行った. 1.形式的仕様記述とそれに基づくシステム開発 システム開発法として,Zによる形式的仕様記述から段階的詳細化によって実現へと導く方法,Miranda等の関数型プログラミング言語による仕様アニメーションないしプロトタイピングに基づく方法の二通りを検討した.いずれの場合も,各種の支援ツールを用意して効率よく開発を行うことを目指している.元来プログラムに対して定義されたスライス操作を,形式的仕様に対して定義して,仕様記述および分析の効率化をはかっている.また,対象となる応用領域レベルでの表現と仕様レベルでの表現との間での詳細化と抽象化とを自由に行うことにより,システムの記述を支援する機能について検討した. 2.超並列処理システムの処理方式 処理方式に関して,並列計算機システム評価用シミュレータおよび並列化コンパイラに関する研究を行った.超並列計算機システムの性能評価において,メモリアクセスの種類に応じて確率を用いたシミュレーションとアドレストレースを行うシミュレーションとを切り替えることによるシミュレーションの高速化手法を提示した.並列化コンパイラに関して,データ分割問題のより一般的な解決をはかり,さらにはスケジューリングとデータ分割,プロセッサ分割などの自動並列化コンパイラにおける種々の問題に対する統一的な取扱いを行うことを目指して,従来の制御依存グラフを拡張したデータ分割グラフを定義し,それを生成するアルゴリズムを与えた.
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