骨の形態的機能適応現象のメカニズムの解明-骨の生体力学とピエゾ電性の統合研究-
Project/Area Number |
05221102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 克成 東京大学, 医学部(病), 講師 (10010323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 泰彦 株式会社旭光学工業, ニューセラミックス部, 主任研究員
小田 哲治 東京大学, 工学部・電気工学, 教授 (90107532)
中桐 滋 東京大学, 生産技術研究所・材料工学, 教授
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 骨のremodeling / 化骨現象生体力学的 / ピエゾ電性 / 骨形成因子 / streaming potential / 有限要素解析 / 骨性癒着歯と釘植歯 / mechanocytology |
Research Abstract |
従来、骨の改造現象は、骨のピエゾ電性によるとするBassettの説は文献的調査では、今日否定的で主にstreaming potential(流動電位)と骨形成因子の活性化という二種類の液性因子により、圧電による化骨は5%程度とされている。そこで実験の順序を変えて、ヒドロキシアパタイト(HAP)人工歯根を用いた動物実験において、生体力学因子で形成される骨と生理的に形成される骨が区別できる実験系を考案し、同時にモデルによる有限要素解析を行い、組織像と比較した。また、mechanocytologyの観点から圧力が骨芽細胞を誘導する可能性のあることから、人工歯根の模型を作製し、圧力を測定し、streaming potential測定の準備を行った。また、液性因子の流動と化骨の関係を明らかにするため多孔体のHAPを筋肉内に移植した。最後に模型を作製し、ピエゾ電位の測定を行った。その結果、歯根膜を持つ釘植歯の周囲骨の改造が骨組織の生体力学的法則に従って起こることが明らかにされた。また、化骨現象が液性因子の流動現象に依存する可能性が示唆される画期的成果が得られた。以下、実験の手順と結果を記す。1.成犬と成猿による人工歯根の植立実験(骨性癒着と靭帯結合歯)および組織標本の作製と観察 2.動物実験に近似した二次元モデルによる有限要素解析の結果との比較 3.人工歯根と周囲組織の模型作製による咀嚼機能下での人工歯根表面の圧力測定 4.多孔質体HAP焼結体の背筋への植入による骨組織の誘導能の観察 5.模型によるピエゾ電位の測定。実験の結果次の所見が得られた。1.歯周靭帯が主応力線の変換システムとして機能する。2.釘植歯では、顎骨の応力分布は人工歯根と顎骨の形態および各材質の係数に依存する(shape effect)が、骨性癒着歯ではshape effectが殆どない。3.釘植歯では、骨組織は主応力線に一致して改造されるが、骨性癒着歯では、主応力線は人工歯根と骨組織を連続体として通過する。従って、反復荷重下では接合部が破断する。4.人工歯根表面に作用する圧力波形は、人工歯根と固有歯槽骨表面の形状に依存し、等しい形状の陥凹部と凸部では差のないことが明らかとなった。5.人工歯根の表面化骨(セメント質)も周囲骨のremodelingも、また、遠隔部の骨の添加も筋肉内のHAP多孔体と同様に、ともに細胞に作用する力学刺激とともに、流動電位と活性物質の流動によると考えられる所見が得られた。6.アキレス腱を用いた模型によるピエゾ電位とstrain gaugeによる測定では相関関係は得られなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)