高血圧に伴う血管壁のリモデリング機構解明のための摘出血管の人工培養システム
Project/Area Number |
05221204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 健郎 東北大学, 工学部, 講師 (30209639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 則之 東北大学, 工学部, 助手 (20250681)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
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Keywords | 動脈 / 力学的適応 / 高血圧 / リモデリング / 血管培養 |
Research Abstract |
本年度はまず第1段階として、血管を生体内類似の内圧・流量条件で培養できる回路と設計と試作を行った。培養液としては、内皮細胞等の培養液に準じたもの(DMEM+10%ウシ胎児血清)を使用し、圧力・流量は静的負荷とした。培養回路は閉鎖循環式とし、ローラーポンプから送り出された培養液が循環血管試料の内腔を潅流した後オーバーヘッドタンクに向けて圧送され、オーバーフローした溶液が自由落下した後、血管外側を潅流しローラーポンプに戻る形式とした。内圧はオーバーヘッドタンクの高さで調節できる。また血管の力学的性質を知るため、無菌的状態のままで血管内圧と外径の関係を計測できるようにした。更に培養を37℃で行うため、血管培養槽をヒーターの上に置き、更に装置全体を保温箱内に設置した。このような形式により、構造を単純化し、しかも内圧・流量・温度を長期間安定に加えることができるようになった。以上の装置の工夫に加え、血管の摘出・装置への取り付け操作を無菌的に行えるように考慮した結果、圧・流量・温度等を安定した状態に保った上で、1週間程度の潅流をコンタミネーションなしに行うことが可能となった。 次に、試作した血管培養システムを用いて家兎頚動脈の培養を行った。内圧100mmHg、流量100ml/minの条件で1〜3日培養を行なった後ノルアドレナリンを投与したところ、培養3日の試料でも血管外径が30%以上収縮し、中膜平滑筋の活性が保たれていることが判明した。しかし外径収縮量が最大となる内圧は摘出直後のものとは異なり、また培養に伴い100mmHg以上の内圧における血管の伸びが低下する傾向が見られた。当初の予想に反し、生理的な力学条件下で血管を培養しても、血管の力学特性に変化が現れる結果が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)