機械的な伸縮運動に依存した骨格筋細胞の発達の分子機構
Project/Area Number |
05221212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大日方 昂 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | 骨格筋細胞 / 機械的張力 / 筋肥大 / 収縮運動 / ストレッチング / 動負荷 / 電気刺激 / 細胞培養 |
Research Abstract |
骨格筋のメカニカルなストレスに応答した変化の詳細や仕組みに迫ることを目的とし、1)ストレッチング刺激をうけた培養細胞の動態、2)運動機能低下で筋が萎縮する際のアクチン繊維系制御因子の動向を探った。これまでに以下のことがわかった。 I.培養細胞へのストレッチングの効果-ストレッチングをかけられた培養細胞の振舞い 筋細胞株(C2細胞)や平滑筋細胞株(A10)をシリコン膜上に培養すると、細胞は様々な向きで膜上に存在する。これらの細胞を約4日間断続的なストレッチングを施すと、細胞はストレッチングの方向に対して直行して並ぶことが見いだされた。予め、ストレッチング方向に細胞を配向させて培養してから、ストレッチングした場合にも同様に著しい再配置が起こった。細胞内アクチン繊維の動態を制御するアクチン結合蛋白質の一つコフィリンに着目して調べた結果、通常のC2細胞ではコフィリンは細胞内に拡散しているのに、ストレッチング処理された細胞では、ほとんどが核内に移行しているのがわかった。細胞の再配列過程で、細胞内アクチン細胞骨格に大きな変動があると考えられる。 II.筋萎縮時のアクチン繊維制御因子コフィリンの動態 骨格筋を除神経すると収縮運動による筋への負荷がかからない状態となり、顕著な筋萎縮が起こるが、その際コフィリンの発現が顕著に高まることが抗コフィリン抗体(MAB-22)を用いたイムノブロット法により明らかになった。ノーザーンブロット法により、コフィリンmRNAの著しい増加も認められた。また、筋ジストロフィー症が発症、筋の萎縮が進行しているNH413系ニワトリ胸筋やdyマウスの脚筋(速筋である大腿直筋、前頸骨筋など)で、正常筋に比して、多量のコフィリンが検出された。一方、他の低分子アクチン結合蛋白質(ADF、プロフィリン)の筋萎縮時での発現上昇は認められなかった。これらの観察から、萎縮途中の筋で特にコフィリンの発現が高まりアクチン細胞骨格の変動に関与することが推測される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)