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¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Research Abstract |
二ケイ化モリブデン(MoSi2)は1500Kを越える高温で使用可能な構造材料の有力候補と考えられている。また,高温強度の改善を目的とした複合材料化も試みられている。この材料を高温で使用する際には,その高温耐酸化性が問題となる。昨年度はMo(Si1-x,Alx)2の2050Kまでの高温酸化を行い,酸化皮膜として生成する非晶質SiO2にAl2O3が固溶すると,その結晶化が抑制され,熱サイクル時においても密着性が高く耐酸化性に優れていることを明かにした。本年度は非晶質SiO2に固溶する酸化物の塩基度を変化させるために(Mo1-x,Mx)Si2(M=Ta,Ti,ZrおよびY)の高温酸化挙動を1773Kで検討した。なお,これらの系は複合材料化を図る場合に分散される粒子や繊維に含まれる元素に対応する。 ZrおよびYを含む系は初期の酸化速度が極めて大きく,それぞれZrO2およびY2O3を主体とした酸化皮膜を形成する。また,内部酸化も著しい。TaおよびTiを含む系の酸化速度はMoSi2の場合と同程度である。Ta系で生成する非晶質SiO2皮膜中にはTaの固溶は認められない。これは酸化皮膜/合金界面の酸素ポテンシャルが低くTaが酸化されなかったことによる。Ti系で生成する非晶質SiO2皮膜中はTiO2が析出した組織を呈している。この非晶質SiO2にはTiが固溶している。これらのことからTiを含む系が有望と考えられる。
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