Project/Area Number |
05224101
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
栗城 真也 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中根 英章 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (20237332)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
|
Keywords | 高温酸化物超伝導体 / 粒界弱結合 / SQUID / ジョセフソン効果 |
Research Abstract |
本研究では、YBCOエピタキシャル薄膜中に形成した構造的弱結合の電流輸送特性のなかで、とくにdc SQUIDを構成したときの電流-電圧特性と雑音特性に着目して実験を行った。 YBCO薄膜はMgO基板やSrTiO_3(STO)基板上にoff-axisスパッタリングにより成膜したc軸配向膜で、膜厚は200nmとし、Tc〜85K以上のものを用いた。MgOにエッチングにより形成した段差と、STO bicrystal(傾角24度)基板による二種類の弱結合について検討した。なお、MgO段差部の弱結合には複数の小傾角粒界が断面TEMにより観察された。いずれの粒界弱結合においてもSQUID特性が得られたが、bicrystal弱結合の方がTcの低下が少なく77K動作が可能であった。I-V特性はbicrystalではRSJ的な特性が得られたが、段差弱結合にはexcess電流が見られた。 SQUIDの雑音を評価するにあたり、電流バイアスを交流化し(バイアス周波数fв》磁束変調周波数fm)、fвに同期してΦ_0/2の磁束を加えるFLL駆動方式を新たに考案した。また、fmに同調したタンク回路によりバイアス反転による電圧ジャンプ(fв成分)を抑制し、変調電圧のロスを抑えてIcやRnのパラメータゆらぎによる電圧性雑音と磁束性雑音を弁別することを可能とした。 SQUIDの雑音測定の結果、磁束トラップが原因と思われる磁束性雑音のない場合は段差弱結合、bicrystalとも電圧性の低周波雑音は小さく、高い磁束感度を持つことが分かった。また、このような試料では、交流バイアスによりさらに低い低周波雑音が得られた。bicrystal弱結合でこれまで報告されているパラメータゆらぎによる大きな電圧性雑音は観測されていない。 さらに本研究では、バルクYBCO焼結体の粒界構造がもつ磁束感度特性について検討を行った結果、Bi_2O_3を混合することにより磁束の侵入量を制御できることが分かった。
|