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透過型高分解能エネルギー損失分光による高温超伝導体の電子構造の研究

Research Project

Project/Area Number 05224207
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas

Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

田中 通義  東北大学, 科学計測研究所, 教授 (90004291)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 津田 健治  東北大学, 科学計測研究所, 助手 (00241274)
寺内 正己  東北大学, 科学計測研究所, 講師 (30192652)
Project Period (FY) 1993 – 1994
Project Status Completed (Fiscal Year 1993)
Budget Amount *help
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Keywords高温超伝導Y_<0.5>Cu_2O_8 / Bi_2Sr_2Ca_<0.5> / プラズモン / フリーキャリアー / エネルギー損失分光 / 誘電関数
Research Abstract

透過型電子エネルギー損失分光(EELS)による高温超伝導体の電子構造の研究はドイツのカールスルーエ大学のFinkらによってなされてきた。かれらは、EELSスペクトルの1.2eV付近にフリーキァリアーに由来するプラズモンピークが現れ、フリーキャリアーの有効質量はm^*/m〜1であると報告している。しかし、この有効質量の値は角度分解型光電子分光から求められた値5〜10と比べてかなり小さく疑問である。また、光の反射率の実験では、約1eVに反射率の低下が観察されており、プラズマエッジと同定されている。しかし、プラズマエッジのエネルギーがキャリアーのドーピング量に依存しないという実験結果については疑問がのこる。われわれは、1eV付近のプラズモンの存在の有無とその原因について、微小領域の同定機能を備えた透過型EELS装置を用いてBi系2201相,2212相,2223相およびTl系2201相の常伝導状態でのEELSスペクトルを調べた。
われわれの実験では、1eV付近にプラズモンの励起に対応するピークは観察されなかった。さらに、Bi-2212相についてまず電子回折図形で単結晶であることを確認した400nmφの領域から酸素1s電子の励起スペクトルをとり、528〜529eVにO2pホールの存在を確認した。同じ単結晶領域の100nmφの領域から得た0〜10eVのEELSスペクトルでは約1.2eVでプラズモンに対応するピークは全く見られなかった。Bi-2212相のキャリアーの密度は〜3×10^<21>cm^<-3>と報告されている。この密度に対応する自由電子近似でのプラズモンエネルギーは約2eVとなる。実際の結晶でのフリーキャリアーによるプラズモンエネルギーはキャリアーの有効質量の(m^*/m)^<-1/2>に比例し、誘電率のε_1^<-1/2>に比例する。キャリアーのm^*/mの値は角度分解型光電子分光から5〜10という値が報告されている。この値とキャリアー密度を用いてプラズモンエネルギーを計算すると0.6〜0.9eVとなる。Finkの得たε_1〜4.5を用いて誘電率の影響を考慮するとさらに低エネルギー0.3〜0.4eVへシフトし、1eV付近にプラズモンピークは観察されないことが予想される。われわれのEELSスペクトルから0.6〜0.9eV領域での誘電率を求めるとε_1〜9という値を得た。この誘電率を考慮すると、プラズモンエネルギーは0.2〜0.3eVとなり、今回の実験でプラズモンピークは観察されないことが理解できる。また、光の反射率の低下の原因は、約2eVにあるバンド間遷移であろうと考えられる。

Report

(1 results)
  • 1993 Annual Research Report

URL: 

Published: 1993-04-01   Modified: 2016-04-21  

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