インターカレーションによる高温超伝導体の次元性と高キャリアー濃度領域の研究
Project/Area Number |
05224208
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小池 洋二 東北大学, 工学部, 助教授 (70134038)
|
Project Period (FY) |
1993
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
|
Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
|
Keywords | 酸化物高温超伝導体 / インターカレーション |
Research Abstract |
Bi_2Sr_2CaCu_2O_8にヨウ素をインターカレーションすると、Tcが約15K低下することが知られていたが、その原因は、ヨウ素からCuO_2面への電荷移動によるオーバー・ドーピングの効果と、次元性の変化の効果の両方であることを明らかにした。さらに、ハロゲンのインターカレーションによるBiO-BiO層間の伸びは、ハロゲンの種類(I,Br,IBr)によって異なるが、Tcの低下は、ハロゲンの種類によらず同じであることから、次元性の変化によるTcの低下は、BiO-BiO層間の距離の変化に因るのではなく、BiO-BiO層間の結合の変化に因っていることがわかった。そして、インターカレーションによってc軸方向の電気抵抗の温度変化が金属的になることを考慮すると、インターカレーションによって、BiO-BiO層間の電子的な結合が強くなって、より3次元的になり、Tcの低下を助長していると推論できた。すなわち、Bi系酸化物においては、より2次元的な電子構造が超伝導に有利であることがわかった。 Bi_2Sr_2CaCu_2O_8について、ヨウ素をインターカレーションし、そのTcのヨウ素濃度x依存性を詳細に調べた結果、xの小さい領域では、ヨウ素からCuO_2面への電荷移動によるオーバー・ドーピング効果のために、xの増加とともにTcが低下し、xの大きい領域では、何らかの理由でCuO_2面のホール濃度が飽和し、Tcが一定になることがわかった。したがって、オーバー・ドーピングによって超伝導が消失する高キャリアー濃度領域の試料を作ることはできなかった。これは、Biがホールを取って+3価から+5価に変わりやすいためであり、Bi系酸化物の宿命と思われる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)