Project/Area Number |
05224221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小國 正晴 東京工業大学, 理学部, 助教授 (50144423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 憲三 東京工業大学, 理学部, 助教授 (70016096)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 超伝導 / 相分離 / 相転移 / ガラス転移 / マルテンサイト / 熱容量 |
Research Abstract |
La_2NiO_<4+δ>およびLa_2CuO_<4+δ>結晶は高温でともにK_2NiF_4構造を持ち、過剰酸素を持つ後者結晶の低温相で超伝導性が見出されている。両結晶は酸素組成に不定比性を示すために、過剰酸素の平均組成、配置、さらに配置変化速度の詳細は低温における各結晶相の構造、性質、また超伝導性に重要な影響を及ぼすものと予想される。特に酸素組成が異なる2相への分離は過剰酸素の長距離的な拡散を伴うために、その過程は低温で次第に緩慢になり、ガラス転移を経て凍結する可能性がある。そこで本研究では、La_2NiO_<4+δ>とLa_2CuO_<4+δ>結晶の相挙動と過剰酸素の配置変化速度を統一的に明らかにすることを目的として、断熱型熱量計を用いた両結晶の熱容量測定を行った。 La_2NiO_<4+δ>結晶では、δ=0.00結晶において81Kの構造相転移、335Kの反強磁性相転移を観測した。δ=0.14では292Kに一次の構造相転移、45K付近に他の熱異常を見出した。δ=0.11および0.14においてはガラス転移に特徴的な発熱、続いて吸熱のエンタルピー緩和を観測し、相分離の存在とともに過剰酸素配置の200K付近での凍結過程を明らかにした。 La_2CuO_<4+δ>結晶では、相分離領域にあるδ=0.015および0.035において200〜300Kの温度域で3つの熱容量異常を観測した。δ=0.015で287K、δ=0.035で295Kの異常はイジング系の分子場理論の結果に相似した二次相転移、265Kの異常は無拡散過程として進行するマルテンサイト的な構造相転移であり、δ=0.015における222Kの異常は吸熱効果を伴う一次の相転移である。La_2CuO_<4+δ>結晶では相分離に基づくガラス転移は観測されず、低温で超伝導性を示す結晶相は300K以下で3つの構造相転移を通じて形成されることを明らかにした。酸素組成の異なる二相への分離は従って300K以上で進行し、λ型の熱容量異常として見出されるものと予想される。
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