Project/Area Number |
05224226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石黒 武彦 京都大学, 理学部, 教授 (50202982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 裕 京都大学, 理学部, 助手 (10260374)
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Project Period (FY) |
1993
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1993: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 高温超伝導体 / 磁化緩和 / フォノンエコー / 磁束状態 / 超音波の電磁励起 / 混合状態 / 有機超伝導体 / リエントラント超伝導 |
Research Abstract |
本研究では酸化物超伝導体における超音波の電磁励起に成功し、これが超伝導体中における磁束ピンニングに関する新しい実験手法となりうることを示した。磁場下の第2種超伝導体は磁束状態と磁束の運動に応じて変化するため、超伝導体に磁場をかけたとき、静磁化は長い時定数で変化する。従来こうしたバルク内のピンニング力を調べる際には、超音波をプローブとし弾性定数、減衰定数からピンニングについての知見を得るための実験が進められて来た。この際、静磁化等には長い時定数に対応する低周波領域の特性が関与するのに対し、超音波には主として10^6Hz程度以上の高周波特性が係わる。一方、最近になって磁場中におかれた超伝導粒子がエコー現象を呈することが明らかにされ、超音波とは異なる知見を与える実験と考えられている。本研究ではこのエコー現象(フラクソイドエコーともフォノンエコーとも呼ばれる)を解明すべく、周波数ωの励起に続いて2ωの信号を与えることによるパラメトリック現象についての実験にとりかかったが、これは超伝導体内には高周波磁束が入りえないことから目的を果たすには至らなかった。このことからエコー現象は高周波磁場により表面付近で励起された超音波が格子の非線型性に基づいて形成するダイナミックフォノンエコーによるものとの見方に立ち、実験を進めたところ、この考えを支持する結果を得た。 試料としてはYBa_2Cu_3O_7の多結晶体より成るバルク状試料について4.2K-200K、0-5Tの条件下で10MHz程度の高周波パルスに対する応答を調べたところ、超伝導化し混合状態にある試料で磁場の2.8-3.1乗で変化する信号を見出し、これが試料表面付近での超音波の直接励起によるものであることを確かめた。考察によれば、磁場依存性はピンニング強度を反映し、従来の超音波をプローブとして調べられようとしていたピンニングについての知見がより直接的に得られることとなっており、今後、磁束状態について調べる有力な手段として活用できるであろうことが明かとなった。 以上のほか、前年度に最も高いTcを持つ有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)_2Cu[N(CN)_2]Clでリエントラント超伝導が現れることを発見したが、交流磁場に対するスクリーニング効果によりリエントラント現象がバルク全体で見られることを示した。また、高周波磁場に対するスクリーニング特性を調べることを通して、静磁場下での超伝導状態からの変化について調べた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)