Project/Area Number |
05226204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河野 裕彦 東北大学, 理学部, 助教授 (70178226)
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Project Period (FY) |
1993 – 1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1993)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1993: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 磁場効果 / 系間交差 / Lanczos法 / 波束動力学 / 無輻射過程 / Bixon-Jortnerモデル / カオス / 零磁場分裂 |
Research Abstract |
気相分子の系間交差が磁場によってどのように影響を受け、なぜ三重項の零磁場分裂の大きさE_<gap>より小さな磁場で蛍光収率が1/3になるのかという問題に二つの方向から挑んだ。 1.拡張Bixon-Jortner(B-J)モデル 磁場効果の本質を明らかにするため、光励起で生成したS_1振電準位sとそれに直接結合する三重項振電準位{b_j}からなる系({b_j}が等エネルギー間隔〓を持つB-Jモデル)に直接結合しない副準位{C_j}を加えて磁場効果を模す(二重項として扱う)。磁場によってできる{b_j}と{c_j}の線形結合準位{b_j}{c_j}が等エネルギー間隔〓/2になる場合は(重なる場合は非現実的)、量子収率は減少し、2/3になる磁場強度H_<1/2>とE_<gap>の比は約0.2になる。このような小さな値でも、吸収帯の中心では{b_j}と{c_j}は1:1に混ざる(中心から離れればsが無い場合の比0.9:0.1に近づく)。直接の相互作用が無い等エネルギーのb_jとc_jの間に大きなmixingが起こる。磁場消光の高い効率を説明するこの機構をisoenergetic intermanifold scramblingと名付ける(J.Chem.Phys.投稿中)。残された問題は、N_0(零磁場でのsと有効に結合する暗準位の数)が小さくなるにつれH_<1/2>/E_<gap>が実験結果のように増大しないことである。以下のシミュレーションの結果を整理し、エネルギーや結合の揺らぎが原因となっているか調査中である。 2.シミュレーション ポテンシャルを入力として、無輻射過程をシミュレートする。我々は励起状態波動関数Ф(t_F)を構成している固有状態を求める方法を開発した。Ф(t_F)は入射パルス減衰直後t_Fの波動関数であり、波束動力学を使って計算できる。固有関数を求めるための基底は、energy filteringを伴うLanczos法を用いてФ(t_F)より生成する。蛍光の時間変化などの物理量は得られた固有関数から計算できる。二振動自由度系に適用した結果、カオス的なエネルギー領域で高い効率の磁場消光がみられた。
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